夏至におすすめの郷土料理!地域ごとの独自の食文化が楽しい

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食事

今回は、夏至のお祝いにふさわしい食べ物を、東西の文化を中心にご案内します。

そうは言っても、「夏至に特定の食べ物を食べる」と聞いても、ピンとくるものはなかなか思い浮かばないかもしれません。

冬至には「冬至かぼちゃ」が浮かびやすいですが、夏至に関連する食材や料理については、情報が少ないかもしれません。

とはいえ、日本各地では、夏至に因んだ伝統的な食べ物が今でも根強く受け継がれています。

まずは夏至がどんな日なのかを解説した後、地方文化に根差した夏至の食繊を、関西や関東などの地域別にご紹介しましょう。

 

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夏至の意味

夏至は、年間で最も昼の時間が長く、夜が短い日です。一般には夏至というと特定の一日を指すと思われがちですが、夏至は期間を指す用語としても使われています。

古くから使われている暦には「二十四節気」というシステムが存在し、年を24に分けてそれぞれに季節を象徴する名前を付けることで年間を表しています。二十四節気では、年の開始を「立春」とし、終わりを「大寒」と位置づけています。

このシステムに沿って、立春から数えて9番目の節気が夏至とされ、その次に来る10番目が小暑です。したがって、ここでは夏至の開始日から小暑の前日までを夏至の期間とする見解が存在するのです。

本記事中には「半夏生」という言葉も頻繁に出てきます。二十四節気によって季節は表されますが、それだけでは季節の変化を完全に捉えきれないため、二十四節気を補完する形で雑節というものが生まれたとされています。

半夏生とは?雑節と二十四節気に関する興味深い事実

日本には土用、節分など多くの雑節が存在し、昔の農家にとっては半夏生が田植えの締め切りとされてきた重要な日でした。

他にも、我々にはなじみ深い二十四節気があり、夏至の11日後に当たるのが半夏生です。しかし、この二十四節気と雑節は、旧暦を基にしているため、現在使用される暦においては日付に変動が見られます。

なお、夏至は一日限りのイベントではなく、夏至から小暑の直前までの期間をさす場合もあります。ここからは特に、夏至の期間に食べる食材に焦点を当ててご紹介いたします。

 

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夏至の食べ物1 タコ(関西)

夏至といえば、特にタコを食する習慣が知られています。この慣習は、日本の関西地方の一角で見られるものです。

夏至は田植えが終わり、稲が育つ大切な時期にあたります。稲がタコの足のように八方向にしっかりと根を広げることを願い、この風習が誕生したとされています。

タコは夏至に限らず、半夏生の際にも食されることで知られており、夏至から半夏生に掛けての時期の食材として親しまれているようです。

 

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夏至の食べ物2 焼きもち

関西ではタコが夏至の食べ物として知られていますが、関東地方では一体何がそれに当たるのでしょうか?

関東のある地域で夏至の時に特別な食べ物として選ばれているのは、小麦を使って作られた焼きもちなのです。ここでは二期作が一般的であり、小麦の収穫後には米作りが行われます。

半夏生は、小麦の収穫が完了し、田植えの作業も終える時期に当たります。このタイミングで新鮮な小麦を用い、焼きもちを神様に捧げたり、自らが味わったりするのです。

実は、この慣習が存在するのは奈良県にも同様であり、小麦で作った団子を楽しむ地域も他にも存在するそうです。

 

夏至の食べ物3 焼きサバ(福井県)

かつての越前国大野藩(今の福井県大野市に該当)においても、半夏生を迎える前に田植えを完了させるのが一般的な慣習でした。

田植えは体力を非常に消耗する作業であり、これを終えた農民たちは極度の疲労を感じていたことでしょう。これに目を配っていたのが、大野藩の藩主でした。

越前海岸に面した大野藩では、沢山のサバが漁獲されていました。そこで、疲れ果てた農民たちに元気を取り戻してもらおうと、藩主が焼きサバを勧めたことが、起源とされています。

江戸時代には現代のような栄養学の知識はありませんでしたが、サバはDHAやEPAを含んでいて、さらに疲労回復に効果が期待されるビタヽミンB群も豊富です。このように、福井県での焼サバの習慣は、非常に科学的な裏付けがあることがわかります。

 

夏至の食べ物4 うどん(香川県)

香川県を代表するグルメと言えば、言わずと知れた讃岐うどんが挙げられます。香川においては、伝統的に田植えが済んだ半夏生からうどんを楽しむ習慣が根付いています。

年間を通して親しまれている讃岐うどんですが、とりわけこの時期のうどんは、他のどの季節よりも特別な味わいがあるとされています。このような背景もあり、香川県生麺事業協同組合では、半夏生を記念して「うどんの日」を設けているのです。

 

夏至の食べ物5 イチジク(愛知県)

夏至という特別な日に、尾張国(現在の愛知県エリア)では独自の習慣としてイチジクを頂く風習が存在しています。具体的には、イチジクを二つに割って、その上から田楽みそを載せて食すという方法です。

愛知県におけるイチジクの伝来については、具体的な始まりは明らかではありません。とはいえ、イチジクが日本に導入された時期は江戸時代であるため、この時代が何かしらの手がかりとなるかもしれません。

 

夏至の食文化についての総括

冬至にかぼちら如く、夏至に特定の食事が存在するわけではありませんが、地方ごとに異なる夏至の伝統食を紹介しました。

夏至は農作業の盛期で忙しく、大々的な行事の開催や特定の食事を摂ることが難しい時期だったのかもしれません。

また、夏至にちなんだ食べ物としては小麦製品が出てくることが多く、その理由はこの時期に収穫される新鮮な小麦が利用されていたからかもしれません。

現在では冬至のような全国的な知名度は低いものの、関西の一部で受け継がれている行事食が全国区の食べ物となるケースも見受けられます。今後は夏至に関する食べ物がより広く認知されていく可能性もありそうです。

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