国内南端に位置する鹿児島県は、雄大な自然が満ち溢れた地です。そこには、新鮮な海の幸を満喫する機会が豊富にあります。
中でも子どもから大人まで楽しめる潮干狩りは、鹿児島で親しまれるレジャーのひとつです。穏やかな海が育む豊かな生態系の中で、気軽に海の幸を味わう喜びを体験できます。
今日は、そんな潮干狩りが可能な、鹿児島の隠れた魅力的なスポットを紹介します。潮の香りと自然を堪能したい方は、これらの穴場を訪れてみてはいかがでしょうか。
潮干狩りとは?シーズンや採れる貝について
潮干狩りの基本について
①潮干狩りの定義
海が引く時に現れる広い砂浜で、貝類などの海の幸を拾い集める楽しいアクティビティです。
通常、満潮時に隠れる海岸線や干潟が干潮となった際に現れ、様々な種類の貝が採集できる場となります。貝だけでなく、潮間帯に生息する海洋生物を捕まえることもあります。
②潮干狩りのシーズン
3月の半ばごろから7月の終わりにかけてが、一般的な潮干狩りシーズンとされています。
しかし、地域によっては時期が異なったり、年度によって気候の変動によってシーズンが前後することがあります。
③潮の流れと共に
潮干狩りでは、潮が引くタイミングを見計らって海へ向かって歩き、貝を拾いながら、潮が満ちてくるとともに岸辺に引き返します。
干潮の時間や場所を事前に調べておくと、効率よく潮干狩りを楽しむことが出来ます。
収穫できる主な貝類
①アサリ
最もポピュラーな貝類で、サイズは3㎝から6㎝が一般的です。殻の色や模様は多様で、触感はやや粗いです。
アサリを使ったスープや酒蒸し、焼き貝など、料理のバリエーションも豊かです。
②ハマグリ
アサリよりも若干大きめで、3㎝から10㎝程度のものもあります。
シルキーな表面の貝で、ハマグリの採取量は減少傾向にあるため、アサリに比べレアな存在です。
ハマグリのスープや酒蒸しなどで楽しむことができます。
③シジミ
小振りな貝類で、サイズは1㎝から2㎝ほどです。黒々とした光沢を持つ殻が特徴的です。
シジミは味噌汁やお吸い物にしても良し、酒蒸しにしても美味しくいただけます。
潮干狩りのための持ち物チェックリスト
必携アイテムをリストアップ
情報源を確認
計画的な潮干狩りを楽しむためには、目的地の場所や行き方、潮の満ち引きのタイミングを事前にチェックしておくことが大切です。
役立つ情報は地域の観光情報センターやネット上で得られることが多いです。
日焼け対策を万全に
海辺は紫外線が強力ですから、帽子や日焼け止めクリーム、サングラスなどの対策グッズは必要不可欠。
それに、虫除けスプレーや長袖の衣類などもあると安心でしょう。
掘り取り用の道具
熊手やシャベル、小型のスコップ、バケツや網などは貝を探し出し、取り出すのに役立ちます。
これらは潮干狩りの際の必需品です。
作業用具を忘れずに
土を掘ったり、貝を処理する際に重宝する手袋やタオル、ナイフ、割り箸なども持参することをお勧めします。
適切な服装で出かけよう
ぬかるみや海水に対応できる動きやすく汚れてもいい服や履き物を選びましょう。
さらに、着替えや濡れた衣類を入れるためのビニール袋も準備が必須です。
水分と食料の準備
体力を消耗しやすい潮干狩りでは、水分補給がとても大事。
水筒に入れた飲み物や簡単な食べ物を携行しましょう。
マナーとルールを守ろう
採取する貝の制限や量、ゴミは持ち帰るなどの潮干狩り場所ごとの規則がありますので、それらを守りながら楽しんでください。
鹿児島潮干狩りの隠れた人気スポット
鹿児島にはいくつか知られざる潮干狩りの名所があります。ここでは特におすすめの場所をご紹介しますが、探索すれば他にも魅力的なスポットが見つかるかもしれません。
ただし、こうしたスポットは天然貝が自生しており、放流や養殖ではないため、確実に貝が採れるわけではないことをご了承ください。
大崎海岸:美しい自然が残る潮干狩りスポット
- 住所:鹿児島県曽於郡大崎町益丸226-1
- 料金:無料
- 開催期間:通年(潮干狩りシーズンは春から夏)
- 駐車場:30台分無料駐車スペースあり
- 問い合わせ:099-476-1111(大崎町役場企画調整課)
- アクセス:鹿児島中央駅から車で100分、もしくは鹿児島空港から自動車で約80分です
吹上浜:広大な砂丘と海岸での潮干狩り
- 住所:鹿児島県日置市入来
- 料金:無料
- 開催期間:通年(潮干狩りシーズンは春から夏)
- 駐車場:吹上浜沿いに複数の無料駐車場あり
- 問い合わせ:099-273-2111(日置市役所)
- アクセス:JR指宿枕崎線谷山駅から鹿児島交通バス加世田行きで約30分、「役場前」バス停下車後、徒歩約30分
脇本海水浴場:美しい天然砂浜の宝庫
自然豊かな風景が広がる白い砂浜の脇本海水浴場では、心地よい磯風を感じながら潮干狩りの楽しみを味わえます。
浅瀬で見つけることができるアサリやハマグリ、ナミノコガイといった貝類が多く見られます。
- 住所:鹿児島県阿久根市脇本
- 料金:無料
- 開催期間:年間通して開放(潮干狩りは春~夏)、海水浴シーズンは7月の第1土曜日から8月31日まで(遊泳時間:8:30~17:00)
- 駐車場:50台駐車可能、無料。開場時間は季節により変動あり。詳細は公式ホームページを参照。
- 問い合わせ先:099-273-2111(日置市役所)
- アクセス:南国交通バス「愛宕橋」下車、徒歩約10分または肥薩おれんじ鉄道「折口駅」から徒歩約20分
磯海水浴場:桜島が望める海浜レジャーの名所
鹿児島市街地に近く、桜島を望みながら海水浴や潜水などマリンアクティビティを満喫できる磯海水浴場で、特にアサリ類の潮干狩りが人気です。
- 住所:鹿児島県鹿児島市吉野町磯
- 料金:無料
- 開催期間:年中開放(潮干狩りは春~夏)、海水浴場は7月上旬~8月下旬
- 駐車場:なし。周辺の民間駐車場を利用可能。
- 問い合わせ先:海水浴期間中は099-248-3006(磯ビーチハウス)、その他の時期は099-803-9621(鹿児島市スポーツ課)
- アクセス:市営バス(シティビュー)「異人館(磯海水浴場)前」から徒歩1分、南国交通もしくは鹿児島交通「異人館前」から徒歩2分
潮干狩りを楽しむための留意点
潮干狩り時の心得
潮の動きを事前にチェックすること
潮干狩りに出かける前には、最新の潮汐表や気象情報を確認して、潮の満ち引きをしっかりと把握しましょう。
潮が満ちる時刻や急激な水位の上昇は、海辺での活動には適さず危険です。
安全上のリスクがあるエリアは避ける
急な岩がちの地形、断崖絶壁、流れが速いところや強い波が打ち寄せる場所など、危険を伴うエリアは潮干狩りの際には立ち入らないようにしましょう。
滑りやケガに注意を払う
海辺は足元が滑りやすいことがあるため、歩行時は特に気をつけてください。
海藻が生えた岩場などでは特に滑りやすくなっており、容易に転ぶことがありますので、ケガには十分注意しましょう。