自宅の畑や庭でガーデニングを楽しむ方々にとって、散布する納豆が土壌にもたらし得る利点について知っておくと有益かもしれません。
納豆に存在する微生物が土の質を高める手助けをするという話があります。WEB上では、そのような土壌改良の話題で盛り上がっており、幅広い情報がアップされています。
だいたいの場合、納豆を直接土に混ぜるのではなく、発酵させたボカシ肥料を作成するか、水に溶かして土に施す方法がよく採り入れられています。キッチンで出る生ゴミを土と混ぜる際にも、発酵していないもの大量に使うことは推奨されていません。
それにしても、納豆に含まれる菌が土に良い影響をもたらすことは充分に期待できるので、上手く使いこなせば廃棄物削減に貢献しつつ、地球に優しいガーデニングが行えるでしょう。
本稿では、納豆を介して土の質を向上させる手段とそれがもたらす可能性のある利益、加えて納豆菌液の作成法についてご紹介します。
納豆菌はどのような効果を持つ？
納豆を作る上で欠かせない存在、「Bacillus subtilis var. natto」という名前の納豆菌は、バチルス属というカテゴリーに属する生物です。
自然の中でよく見られるこの菌は、特に稲わらや枯草に自然と生息しており、そこから名付けられています。
納豆という日本が世界に誇る伝統食品を作る際には、この菌が欠かせません。長い歴史を通じて日本でその内容が検証されてきました。
納豆菌は発酵を加速し、有益な成分を生み出し、余計な成長を阻止する役割を果たします。加えて、バチルス属には他の菌類、特に糸状菌を抑制する力強い生命力があり、それが農業分野での作物の育成促進に活かされています。
納豆を土に埋めるとどうなる？実際のパワーは？
納豆菌の卓越した生命力
納豆菌はその驚異的な生命力と、増殖する能力の高さで知られています。特に、発酵を伴う酒造りの現場などでは納豆の影響が問題視されることがあります。
納豆菌には、土の中のタンパク質を分解する能力があり、これによりよい土壌を形成するお手伝いをしています。このメカニズムが、植物の生育の邪魔をする虫を抑え、土の質を向上させてくれるのです。
趣味で家庭菜園を楽しむ私としても、土によい影響を与える納豆菌を実際に試してみたいと思っています。
大豆成分を利用した土壌改良
納豆菌は大豆に多く含まれる成分を効率良く分解する能力をもっています。
一般的にキッチンの残り物を堆肥にする行為を「土に返す」と呼ぶように、納豆菌による分解作用を土中の微生物が利用することで、土壌の状態を向上させることができるのです。
この分解能力と納豆菌の素早い増殖により、土壌の質を向上させる可能性が考えられています。
納豆を土に混ぜる方法！実際のやり方と気をつけところは？
大量に一気に土に混ぜないようにしましょう
余った納豆を庭の土に混ぜることを検討することがあるかもしれませんが、注意が必要です。納豆を土と混ぜ合わせる場合、多量を一回で土に入れることは推奨されません。
確かに土に還元することは可能ですが、食品廃棄物をそのまま土に埋めると、分解されるまでに時間が必要で、その間に土を掘り返されたり、動物が寄ってきたりする可能性があります。
さらに、不快な匂いが発生する可能性もありますので、少量ずつ土に加えることが適切です。
生ゴミをボカシ肥料に！納豆の良い使い道
家庭から出る納豆やその他の生ゴミを肥料化するなら、ボカシ肥料が適しています。ボカシ肥料の製法には、米ぬかやEM菌といった乳酸菌や他の微生物を使用し、家庭の生ゴミを堆肥化します。
この方法は、家庭菜園を趣味とする人々に広く受け入れられています。納豆をこのボカシ肥料に混ぜ込むことで、生ゴミ特有の嫌な臭いを減らしながら、高品質な肥料を作ることが可能です。
水溶液での散布法
家庭で堆肥づくりを行う際には、細かくした納豆を水に溶かして畑へ散布する方法もおすすめです。また、食べ残した納豆の容器に水を加えて粘り気を溶出させ、それを活用すればより手軽です。
これにより、納豆の粒を直接使用するよりも簡単かつ効率的に土壌改良を図ることが可能です。特に、納豆のパックが手にあれば、すぐに試すことができるでしょう。
続いて、手間は少しかかりますが、ご自宅でも手軽に作れる納豆菌の液肥についてご説明します。
納豆で実際に土壌をよくする方法！
使うものまとめ
- 納豆 1パック
- 無調整豆乳 200ml
- 塩素の入っていない水（浄水、雨水、井戸水が推奨）
- 砂糖または黒糖 小さじ1
- ペットボトル（500mlまたは2リットル用）
- ミキサーもしくは密封可能な袋
納豆菌液のレシピ公開
納豆、豆乳、砂糖をしっかりミックスする
手始めに、密封可能な袋に納豆を入れ、その中に豆乳と小さじ1の砂糖を足していきます。
指先で納豆を崩しつつ、丁寧によく混ぜ合わせましょう。
ペットボトルに入れ替える
先ほど混合した内容物をペットボトルに移し替えます。ここでは、液だれを防ぐために漏斗を利用するのが適しています。
水をしっかり入れる
納豆菌が育つためには適量の酸素が不可欠ですから、ペットボトルにはおおよそ半分の水を注ぎます。
水道水を用いる場合は、塩素を消散させる目的で一夜放置することをお勧めします。
１日1回でいいので攪拌する
菌の活性化には酸素が必要不可欠です。そのために、毎日一度、ペットボトルを優しく振り、空気を新しくするため蓋を開けてください。
これにより菌へと十分に酸素を供給することができます。
実際に出来上がるまで
この作業を完了したら、暖かい場所に置いて2から3日の間待ちます。
室内に保管しても全く問題はありません。その結果、自家製の液肥が完成するでしょう。
納豆菌液肥の散布方法
納豆菌を活用した液肥を撒く際には、その効能を充分に引き出すことが大切です。使用する際は、まず原液を5倍から10倍に希釈してください。
その後、希釈した液肥を土壌に施す際は、雨が降る前に行うのが好ましいです。そうすることで、降雨の助けを借りて納豆菌が土壌深くへ浸透し、その活動が促進されるためです。
さらに、施肥した土壌を透明マルチで覆うと、土壌温度が上昇し、納豆菌の活性化がより進むでしょう。
これらの手法により、納豆菌の入った液肥は土壌の質を向上させる効果を発揮し、植物の成長を促し、病気や害虫への耐性を高めるのに役立ちます。
総括：納豆を土に混ぜる効果と注意点
お庭の土に納豆を混ぜ込むことで、納豆内の微生物が良質な天然肥料へと変わるかもしれません。これらの微生物は、土壌の虫や菌を阻害する一方、豆類特有のたんぱく質を分解し、土の質を向上させる働きが期待できます。
しかし、納豆を一度にたくさん土に入れてしまうのは推奨されません。なぜなら、不快なにおいが出たり、野生動物が引き寄せられるおそれがあるためです。冷蔵庫で余ってしまう納豆は、少量ずつ土と混ぜて使うと良いでしょう。
また、自作のボカシ肥料に納豆を追加するのも、優れた堆肥を作り出す手助けになるでしょう。消費期限を過ぎた納豆や余った納豆を土に活かすことで、廃棄する食品の量を削減し、同時に土壌にプラスの影響をもたらすことが可能になります。
家庭菜園やガーデニングを楽しむ人々にとって、この方法は一試しの価値があります。
