※この記事では、実際のゴキブリの画像を使っていないので、ご安心くださいませ。
夜が訪れると、気配を感じるのがゴキブリです。寝静まった室内で壁や天井を這い回り、気が付けば忽然と姿を消す彼らの行動に、私自身も幾度となく遭遇しました。
ゴキブリは夜行性であることから、「電気をつけていればゴキブリは現れないだろう」と安心して眠ることもあるかもしれません。しかし、私の経験上、それは甘い期待に過ぎません。残念ながら、ゴキブリは照明があっても平気で現れるのです。
このページでは、私が学んだ教訓を踏まえて提供する情報をお届けします:
- 電気をつけて眠るとゴキブリは避けてくれるのか?
- ゴキブリがいる部屋で寝る場合の対処法
- 将来的にゴキブリを避けるための予防策
ゴキブリは電気をつけて寝るとどうなる?
夜通し明るい照明の下での就寝は、ゴキブリにとってどのような影響を与えるのでしょうか?光が彼らの行動に変化をもたらすかもしれません。
それは彼らが光への恐怖を感じて潜伏することにつながるのでしょうか、それとも……。
「電気の明かりがあっても退避しない」は誤解
結局のところ、ゴキブリは照明が点いている状態でも活動的であることがわかっています。明かりが不快だというわけではなく、時には光に引き寄せられることもあります。
したがって、照明をつけたまま眠るのはゴキブリ対策としては無効です。この背景には以下の4つの理由が関係しています。
- 本来夜行性であること
- 視力が弱いため
- 人の生活リズムを察知していること
- 一般的な照明の明るさが自然光とは異なること
【照明下でも行動する理由1】夜行性であること
もともとゴキブリは夜行性の生物で、夜が主な活動時間です。彼らの体内リズムは夜間の活動に最適化されています。
人間が朝起きて夜に眠るように、ゴキブリも昼間は休息し、夜になると活動が活発になります。従って、部屋の光の有無はゴキブリの活動に直接影響を与えないのです。
【照明下でも行動する理由2】視力の低下によるもの
ゴキブリの視力は極めて低く、わずかに光を認識する程度です。夜間の活動に適応する形で視力が退化し、その代わりに触覚や体毛を通じて外界の情報を得ています。
体毛は空気の流れを、触覚はニオイを捉える役割を果たしています。したがって、各種の光源による室内照明の強さはゴキブリにとっては暗闇と変わらないと言えるでしょう。結果的に彼らは照明の有無に関係なく活動を続けます。
電気がついていても動く理由③:人の気配が消えるため
真夜中、キッチンの明かりを消し忘れたままの場面でよく見るのが、ゴキブリがせわしなく動き回っている様子です。
これは人々の活動が静まり返ったのを感じ取り、「今なら安全」と判断し、食べ物を探して現れたのです。ゴキブリは光そのものよりも、はるかに人間の存在を恐れるからです。
電気がついていても動く理由④:日射しとは異なる明るさだから
ゴキブリが最も元気になる時期は、7月から8月にかけての真夏です。この時期は太陽の光が強烈で、直射日光の下に駐車された車のボンネットが卵が焼けるほど熱くなることもあります。
一般的には、白や黄色の薄い色の車体よりも黒い車体の方が熱を吸収しやすいのです。ゴキブリも黒い体色をしているため、直射日光があたる昼間に動いたら体温が上昇し、場合によっては死んでしまう可能性があるのです。
夜行性である理由の一つは、夜であれば太陽の光がささないからと言われています。それに比べて、人工的な室内照明はいくら当たっても体温が上がるほどのパワーは持ちません。この点も、電気が点いている部屋でゴキブリが行動する理由の一つです。
「ゴキブリが光に引かれる」は半分真実
多くの人が信じている「ゴキブリは光を避ける」という説は、一般に広く受け入れられています。
しかし、特定の条件下での実験から、食べ物がなく空腹状態にある暗闇に慣れたクロゴキブリは、実際に光の方へと移動することが観察されました。
暗い所よりも明るい所にゴキブリが多く見られることがありますが、これは単なる幻想ではない可能性があるのです。
※薄暗く光が漏れるベランダでゴキブリを見かけた経験は、実はこうした理由によるものかもしれません。
「寝ている人への接近」は本当かもしれない話
夜中、顔を這われる感覚で目を覚ますと、ゴキブリがベッドの上に…。そんな恐怖体験を耳にすることがありますよね。
これは、ゴキブリが偶然そこにいたのではなく、ある意図を持って人間に近づいているかもしれません。
耳の中に侵入するゴキブリも存在する
梅雨の終わりごろに耳に虫が入ったかもしれないという相談が増えるそうです。実際に診察したところで虫を見つけることもあるみたいですね。
耳に入り込むゴキブリや他の虫たちがいるのは、もしかすると耳垢を栄養源として利用したり、耳の奥が狭く暗いため隠れ家として使っているからかもしれません。
寝ている間の口にゴキブリが侵入する可能性も
私たちが知らず知らずのうちにクモを飲み込んでいるという都市伝説がありますが、この話を元にゴキブリも人間の口に入るという噂が広がっています。
ゴキブリは人間の落ちた髪の毛や皮膚片などを餌とするため、この噂には一理あるかもしれません。しかし、それを全否定する声もあります。
ゴキブリは人間の生えている髪を食べず、また人間には近づかない敏感な生き物と考えられているからです。
とはいえ、耳にゴキブリが入る確かな例が耳鼻科医によって報告されているわけですから、口の周りまで完全に安全とは断言できません。ゴキブリが口に近づく理由としては、唾液があることで水分が確保できる点や、口元に付いた食べカスが魅力的だからでしょう。
実際に口の中に入って水を得ることはあまり考えられませんが、深い眠りについた状態でゴキブリが顔を這い回ることは可能性としては排除できないでしょう。
ゴキブリが部屋にいる状態で眠る時に試すべき6つの方法
夜、ぐっすりと眠りたいと思いますよね?しかしゴキブリが部屋に潜んでいると分かったら、気持ちよく休むなんてできないでしょう。
寝る時間にゴキブリが姿を現し、その後どこかへ消えてしまった時、私たちはどうしたら安心して眠りにつけるのでしょう。ここでは安眠のための六つの対策を紹介します。
- 余分な電気代を気にせず、部屋の灯りは消しましょう。
- 「虫除けスプレー」はゴキブリには効果がありません。
- 「ゴキブリ除けスプレー」を使ってゴキブリが寄りつかないバリアを作りましょう。
- 「ハッカ油スプレー」でもゴキブリの侵入を防ぐバリアを作ることができます。
- 蚊帳やテントを部屋の中に設置し、その中で眠るのも一つの方法です。
- ゴキブリが現れた部屋を完全に密閉し、別の部屋で休むのも効果的です。
はじめに、電灯を消して電力の無駄使いを防ぎましょう
電灯が灯っているときもそうでない時も、それがゴキブリの行動に大きな変化をもたらすわけではありません。光があろうがなかろうが彼らは気にかけずに動き回ります。
ですので、不必要に電気を使うことなく、節約のためにも就寝時は照明を消しましよう。しかし、暗闇の中でゴキブリが這い回っていると考えると落ち着いて眠ることが難しいのは理解できます。
ここからはそのための実践的なアプローチを紹介していきます。
「蚊除けスプレー」がゴキブリには無効
市場には一押しでその場の蚊を撃退する「蚊除けスプレー」が数多く存在します。私自身、この種のスプレーを使用しており、蚊に対する効果は非常に高く、ほぼ全滅させることができます。
しかし、これらの即効性スプレーは、ゴキブリに対して直接スプレーすれば効果を発揮しますが、空間全体にはそれほど有効ではありません。空
気中に拡散した程度の濃度では、ゴキブリのような大きな害虫には効力を示さないのが実情です。
ゴキブリを寄せ付けないスプレーでガードを固める
蚊を対象とした製品とは違い、ゴキブリ専用の忌避タイプのスプレーも存在します。「ゴキブリがいなくなるスプレー」や「ゴキブリワンプッシュ」などの商品名で親しまれています。
この種のスプレーの特徴は、ゴキブリに直接スプレーして駆除するのではなく、彼らが侵入しそうな箇所に予め散布して、侵入そのものを防ぐ効果が期待できるところです。
これらの忌避スプレーは、ベッドや布団の周囲に円を描くように霧を吹きかけて、保護のバリアを作ると良いでしょう。
※使用する際には、1部屋ごとの推奨散布量や、使用後の換気、人の体に向けて使用しないこと、家具や壁紙・畳などへの影響、ペットがいる環境での注意点など、取扱説明書を熟読し、適切な使用を心がけてください。
「ハッカスプレー」利用で安心バリア作り
化学物質は避けたい、または利用が難しい状況のときには、人体や環境に優しいハッカスプレーを活用する方法も有効です。
ゴキブリはハーブやアロマの香りを非常に忌避する性質がある中、特にハッカの香りは効果が高いとされています。布団やベッドの周囲にハッカスプレーを一巡りさせるようにして噴射することで、その匂いがゴキブリの接近を阻止します。
また、植物から採れる天然成分でできているため、皮膚に触れたり寝具に付着しても害がなく、非常に安心です。
部屋で使う蚊帳やテントの活用法
かつて蚊取り線香が普及する前の時代では、室内に「蚊帳(かや)」を設置して眠ることが一般的な習慣でした。
蚊帳は、細かなメッシュ生地によって蚊の侵入を防ぐと共に、快適な睡眠を助けるアイテムです。イメージするならば、作った料理の上に被せるハエ防止のカバーのようなものを、そのまま拡大したようなものだと考えると良いでしょう。
ベッドや布団に蚊帳を設置すれば、蚊だけでなくゴキブリの侵入も防げ、安心して眠ることができます。しかし現代では、蚊帳を所有している人は少なく、市場での入手も簡単ではありません。
そこで、代替案として考えられるのがテントの利用です。最近のキャンプブームにより、家にテントを持っている方も増えています。ゴキブリが出没した際など、緊急の対策としてテントを使用するのも一案です。
ゴキブリが現れた部屋を封鎖し、他の場所で休む
もしもゴキブリを取り除く手段が手元にない時は、ゴキブリが現れた部屋での就寝は諦めるべきです。一夜限り、キッチンに新聞紙を広げ、その上に布団を敷いて眠るのが一つの方法です。
そして、ゴキブリの出た部屋はしっかりとドアを閉めて、どこにも逃げられないようにしましょう。次の対策については、翌日に考えるのがよいでしょう。
ただし、ワンルームのアパートやマンションで一人暮らしをされている方は、残念ながらこの方法を採用することはできません。
ゴキブリが今後出ないようにするベストな対策法
一度ゴキブリを目撃すると、それ以降もゴキブリへの不安に怯えながら生活することになりがちです。そんな時に私が断固として推奨している対策として、「ブラックキャップ」の利用があります。
このゴキブリ用のエサはネット上でも高く評価されており、私自身もその駆除効果を実感しています。住まいのいくつかの場所にブラックキャップを適切に設置するだけで、数日のうちにゴキブリを目にすることはなくなるでしょう。
使用方法や最適な置き場所については、別の記事にて詳しく説明していますので、ぜひ参考にしてください。
集約版:ゴキブリ対策
改めて申し上げますが、ゴキブリは灯りがついていても現れる生き物です。以下の4つの理由により、ゴキブリは部屋が明るくても気にせず行動します。
- 夜行性であるため、夜間は活発に活動する。
- 視力が低く、部屋の明かりの明るさほどは感知できない。
- 人が就寝すると静かになり、ゴキブリは安全と判断する。
- 部屋の照明は太陽光と違って体温を上げないため、快適に感じる。
残念ながら、ゴキブリは明るさや人間の存在を意に介さず、時として人の耳や口にまで近づいてくることがあります。
夜間にゴキブリが部屋に現れ、それでも眠らなければならない状況ならば、以下の対策を試すことをお勧めします。
- 「ゴキブリ撃退スプレー」を使用して部屋にバリアを作る。
- 「ハッカスプレー」を利用してゴキブリ対策を施す。
- 蚊帳やテントを設置して、そこで眠る。
- ゴキブリが現れた部屋を閉め切り、別室で睡眠を取る。
恐怖の夜を過ごすことになってしまいましたが、こうした対策によって快適な睡眠を手に入れることができますように。