「土用」と聞くと多くの人が「土用の丑の日」を思い浮かべるかもしれません。この日には、うなぎを食べるという暑い夏の日の風習がありますが、実は土用は一年に四回、春夏秋冬それぞれに存在します。
古来より伝わる風習によると、土用の期間中は土を触ることが禁じられていますが、どうして土用に土をいじってはいけないのでしょうか?この記事ではその理由と、2024年の各土用の時期について解説します。
土用とその意味
土用とは、もう一つの名称で「土旺用事(どおうようじ)」とも呼ばれますが、一般的には土用と称されています。
この期間は、陰陽道に基づき、立春・立夏・立秋・立冬の前18日間(場合によっては日数が異なることもあります)を指します。
かつての暦では、年の始まりは立春とされていましたが、現在では元日がその役割を担っています。立春、立夏、立秋、立冬はそれぞれの季節の始まりを意味し、24節気に分けられています。
立春、立夏、立秋、立冬の直前の18日間が土用とされ、これらの期間は季節の変わり目とされています。
土用の期間中の土触り禁忌の由来
歴史的に、土用の期間中に土を触ることが避けられている背景には、陰陽道が大きく関係しています。特に重要なのは、土公神と呼ばれる神様で、土の元素を統治しています。
土用の期間はこの神様が土を支配するとされているため、この時期に土を触ることは控えるべきだとされています。
建築業界では、この伝統を守り、土用の期間に新たな土掘りを避けることが一般的です。ただし、土用の期間が始まる前に工事が開始されていて、作業が進行中であれば、その作業を続けることは許されています。
なお、土用の期間中全てが土触り禁忌というわけではなく、特定の日には土を触っても大丈夫です。
土用の間日について
土用の期間中、土触りは原則として禁止されていますが、年に4回、各18日間の土用期間があります。では、その間ずっと土を触ってはいけないのでしょうか?
実は、「間日」と呼ばれる特定の日があり、これらの日は土を触ることが許可されています。これは土公神が一時的に天上に戻る日で、土を支配する神が不在になるため、土触りが可能となります。
土用は四季それぞれに存在し、各土用期間で設けられる間日は以下の通りです。
- 冬の土用の間日 ⇒ 卯、巳、寅の日
- 春の土用の間日 ⇒ 巳、午、酉の日
- 夏の土用の間日 ⇒ 卯、辰、申の日
- 秋の土用の間日 ⇒ 未、酉、亥の日
以下は、2024年の土用の各時期と重要な日についての詳細をまとめた情報です。
2024年の土用の時期とその間の特別な日々
ここからは、2024年における土用の開始、間日、終了の日程について解説します。
2024年の冬の土用
- 土用開始:1月18日
- 間日(寅・卯・巳の日):1月18日、27日、28日、30日
- 土用終了:2月3日
- 立春:2月4日
- 土用の丑の日(参考):1月26日
2024年の春の土用
- 土用開始:4月16日
- 間日(巳・午・酉の日):4月23日、24日、27日
- 土用終了:5月4日
- 立夏:5月5日
- 土用の丑の日(参考):4月19日、5月1日
2024年の夏の土用
- 土用開始:7月19日
- 間日(卯・辰・申の日):7月19日、26日、27日、31日
- 土用終了:8月6日
- 立秋:8月7日
- 土用の丑の日(参考):7月24日、8月5日
2024年の秋の土用
- 土用開始:10月20日
- 間日(未・酉・亥の日):10月22日、24日、26日、11月3日、5日
- 土用終了:11月6日
- 立冬:11月7日
- 土用の丑の日(参考):10月28日
この情報により、2024年の各季節における土用の期間が明確に理解できます。