国税庁を名乗るメールは本物?届く条件と見分け方、開いたときの対処

国税庁を名乗るメールは本物?国税庁がメールを送る条件と状況別の判断表 インターネット

国税庁を名乗るメールが届いても、国税庁とやり取りした覚えがなければ、本物の国税庁からのメールではないと考えて、リンクを開かずに削除してかまいません。

国税庁は、メールを使うのは納税者が希望した場合だけで、メールやSMSで税金の納付を求めたり差押えを予告したりしないと公表しています。

「本物だったらどうしよう」「何のためのメールなの?」と気になっている人に向けて、こうしたメールの目的、本物のe-Taxのメールとの見分け方、開いてしまったときの対処と相談先を、国税庁や国民生活センターの情報をもとに整理しました。

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国税庁を名乗るメールは本物?国税庁がメールを送る条件と状況別の判断表

国税庁を名乗るメールは本物?国税庁がメールを送る条件と状況別の判断表

国税庁がメールを送るのは、e-Taxにメールアドレスを登録するなど、本人が利用を希望した場合に限られます。

国税庁・国税局・税務署は、SMSやメールで国税の納付を求めることも、差押えの執行を予告することもないと、警察庁と共同のリーフレットで明記しています。

国民生活センターも2026年5月27日に、納税者の同意がない限りメールで納付を求めることはないと注意を呼びかけました。

メールを開いただけで、リンクを押さず、何も入力していなければ、被害につながる可能性は低いとされています。

この先も同じようなメールが届くことは考えられますが、開かずに削除していけば、それだけでお金や情報を失うことはないと考えられます。

ただし、リンク先で情報を入力したり支払ったりした場合は、すぐに対処が必要です。

自分の状況に当てはめて、取る行動を決めてください。

自分の状況 今どうなっているか・見込み 取る行動
e-Taxを使ったことがない・メールアドレスを登録していない 国税庁は本人が希望しない限りメールを送らないので、本物ではないと考えられる リンクや添付ファイルを開かずに削除する
「未納」「差し押さえ」など支払いを求められた 国税庁はメールやSMSで納付を求めたり差押えを予告したりしない 支払わない。心配なら自分で調べた税務署の番号に問い合わせる
「還付金」「アプリをインストール」と書いてある 2026年9月30日時点でスマホ用のe-Taxアプリは提供されていない。還付金額の表示やアプリのダウンロードを求めるメールは国税庁は送っていない アプリを入れない、リンクを押さない
e-Taxにメールアドレスを登録していて「税務署からのお知らせ」が届いた 本物の通知の可能性があるが、送信元は似せて作られることもある メールのリンクを使わず、e-Taxのホームページから自分でログインして確かめる
リンク先で情報を入力した・支払った 入力した情報やお金が、ほかの目的に使われるおそれがある カード会社への連絡、パスワードの変更、188・#9110への相談

国税庁を名乗る不審なメールの目的は?支払い・カード情報・アプリへの誘導

国税庁を名乗る不審なメールの目的は?支払い・カード情報・アプリへの誘導

送る側の目的は、国税庁を装ったサイトで支払いをさせる、クレジットカード情報や個人情報を入力させる、スマホに公式ではないアプリを入れさせる、の3つです。

国税庁という名前を使うのは、「税金の未納」「差し押さえ」「還付金」といった言葉で急がせ、確かめる前にリンクを押させるためと考えられます。

手口ごとに、どんな被害につながるのかを見ていきます。

支払い・クレジットカード情報・個人情報の入力をさせる

国民生活センターに寄せられた相談では、国税庁を名乗るメールに「未納の税金を期限内に支払わなければ資産を差し押さえる」と書かれていました。

報道によると、「24時間以内」のような短い期限を付けて急がせるものもあります。

2026年5月に相談した20歳代の女性は、リンク先でコード決済による送金を求められ、実際に送金してしまいました。

フィッシング対策協議会によると、国税庁を装ったサイトでは、氏名・住所・電話番号に加えて、クレジットカードの名義・番号・有効期限・セキュリティコードの入力を求められます。

IPA(情報処理推進機構)は、プリペイドカードの発行番号を入力させたり、カードの認証コードまで入力させたりする手口も紹介しています。

国税庁によると、e-Taxの利用開始届出書をまねたサイトに誘導する例もありました。

入力したカード情報は身に覚えのない買い物に使われるおそれがあり、個人情報は一度渡すと取り戻せません。

IPAは、個人情報を入力してしまった場合は、その後の不審な電話やメールに注意するよう呼びかけています。

Androidのスマホに公式ではないアプリを入れさせる

2026年9月30日には、国税庁を名乗ってAndroidのスマホ向けの公式ではないアプリのインストールに誘導するメールが、フィッシング対策協議会から報告されました。

件名は「【至急】還付金手続きに関する大切なご案内」「【重要】e-Taxメッセージボックスに新しいお知らせがあります」などで、同じ日の10時の時点でも配信が続いていたとされています。

IPAによると、国税庁を名乗るメッセージからこうしたアプリを入れてしまうと、同じ内容のSMSが見知らぬ相手に大量に送られたり、SMSの料金がかさんだり、スマホの中のデータが外部に送られたりするおそれがあります。

2026年9月30日時点で、スマホ用のe-Taxアプリは提供されていないため、「アプリをインストール」と案内するメールは本物ではありません。

本物のe-Taxのメールとの見分け方と、不審なメールの件名の例

本物のe-Taxのメールとの見分け方と、不審なメールの件名の例

本物のメールが届くのはe-Taxにメールアドレスを登録した人だけで、送信元・宛名・催促の有無の3つで見分けられます。

国税庁がメールを一切送らないわけではないので、e-Taxを使っている人は特に、違いを知っておくと安心です。

あわせて、実際に届いている不審なメールの件名と、本物の督促や納付の流れも紹介します。

本物が届く条件と、送信元・宛名・催促の確かめ方

e-Taxにメールアドレスを登録している人には、メッセージボックスに通知が届いたことなどを知らせる「税務署からのお知らせ」や「国税庁からのお知らせ」というメールが届きます。

送信元は「e-Tax(国税電子申告・納税システム)<info@e-tax.nta.go.jp>」で、送信専用です。

文面は決まった定型文で、本文には原則としてURLを書いていません(メールアドレスや宛名を登録・変更したときの確認用のワンタイムURLは例外です)。

e-Taxのホームページでは、不審なメールの特徴として、送信元の表記やアドレスが違う、手続きや納付を催促している、宛名が「担当者様」「納税者様」など誰にでも当てはまる書き方になっている、の3つを挙げています。

e-Taxで宛名を登録していれば、本物のメールの件名と本文には自分が登録した宛名が入ります。

送信元の表示名やアドレスはe-Taxに似せて作られていることがあるので、送信元が正しく見えてもメールのリンクは押さないでください。

e-Taxのホームページを自分で開いてログインし、「お知らせ・受信通知」で確かめるのが安全です。

個人の場合、詳しい内容を見るにはマイナンバーカードかスマホ用電子証明書での認証が必要になります。

不審なメールの件名の例と、本物の督促・納付との違い

国税庁やフィッシング対策協議会が公表している不審なメールの件名には、次のようなものがあります。

本物と同じ「税務署からのお知らせ」で始まるものもあるので、件名だけで判断しないことが大切です。

  • 【重要】未納税金のお知らせ – e-Tax
  • 【 重 要 】 還付金の受取手続きのご案内
  • 税務署からのお知らせ【宛名の登録確認及び秘密の質問等の登録に関するお知らせ
  • 【督促状】滞納した税金がございます。
  • 不動産取得資金に関する調査および回答提出の要請

国税庁は、メールに書かれていた「国税庁 特許情報局」という部局は存在せず、イータ君などのイラストやロゴを付けたメールも送っていないと説明しています。

本物の督促は、国税庁のリーフレット(令和7年7月)によると、納期限を過ぎても納付がない場合にまず督促状が送付され、それでも納付も相談もない場合に財産調査、納付の意思が認められないような場合に差押えへと進みます。

一度に納められないときは、所轄の税務署(徴収担当)で納付の相談ができ、条件に合えば換価の猶予や納税の猶予を受けられることもあります。

メール1通で「24時間以内に払わなければ差し押さえる」と迫るメールとは、流れがまったく違うということです。

国税には、PayPay、d払い、au PAY、メルペイ、R Payで納める正規の「スマホアプリ納付」もあります(令和7年4月の国税庁のリーフレット、納付税額30万円以下)。

ただし、手続きはe-Taxで申告したあと、e-Taxの受信フォルダの「受信通知(納付区分番号通知)」から専用サイトへ進むもので、届いたメールのリンクから送金する方法ではありません。

国税庁を名乗る不審なメールを開いてしまったときの対処と相談先

国税庁を名乗る不審なメールを開いてしまったときの対処と相談先

メールを開いた・リンクを押しただけなら様子を見てよく、情報を入力した・支払ったなら、入力した内容に合わせてすぐに連絡と相談をします。

何をしてしまったかによって取る行動が変わるので、自分に当てはまるものを確かめてください。

リンクを開いた・情報を入力した・アプリを入れたとき

IPAは、URLを開いただけで、何も入力せず、アプリも入れていなければ、被害にはつながらないと説明しています。

フィッシング対策協議会も、入力していなければ被害の可能性は低いとしたうえで、心配ならよく使うサービスのログイン履歴を確かめ、気になる点があればパスワードを変えるよう案内しています。

情報を入力した・支払った場合は、内容ごとに次のように対応します。

  • クレジットカード情報:カード会社に連絡して利用を止め、再発行を検討する
  • IDやパスワード:公式サイトや公式アプリから変更し、同じパスワードを使っている他のサービスも変える
  • プリペイドカードの番号:カードの発行元か消費生活センターに相談する
  • コード決済などで送金した:消費生活センターや警察に相談する

Androidのスマホに公式ではないアプリを入れてしまったときは、IPAが次の手順を紹介しています。

まず機内モードにしてWi-Fiも切り、設定のアプリ一覧からそのアプリをアンインストールします。

そのあと、キャリア決済などに身に覚えのない利用がないかを確かめ、影響が分からないため初期化も検討します(復元はアプリを入れる前のバックアップから)。

初期化後は、Googleアカウントなどのパスワードを変え、多要素認証を使うよう勧めています。

相談先と、不審なメールが何度も届くときの対策

不安なときや被害に遭ったときは、次の窓口に相談できます。

相談先 相談できること
消費者ホットライン「188」 最寄りの消費生活センターなどにつながる。支払ってしまったときの相談
警察相談専用電話「#9110」 このメールは大丈夫かと不安なとき(緊急時は110番)
都道府県警察のサイバー犯罪相談窓口 警察庁のサイトからオンラインで通報・相談ができる
IPA 情報セキュリティ安心相談窓口(03-5978-7509) スマホやパソコンの技術的な相談

税金そのものが気になるときは、メールに書かれた番号ではなく、国税庁のホームページで自分で調べた税務署の番号に問い合わせてください。

不審なメールは、フィッシング対策協議会でも報告を受け付けています。

国税庁とやり取りしたことがないのに届いたのは、送る側が手に入れたメールアドレスに大量に送っているためと考えられます。

フィッシング対策協議会は、不審なメールが大量に届く場合はメールアドレスが外部に知られている可能性があるとして、迷惑メールフィルターを有効にすることや、正規のメールを見分けやすくする機能があるメールサービスへの移行を検討することを勧めています。

まとめ:国税庁を名乗るメールは開かずに削除し、心配なら自分で確かめる

国税庁とやり取りした覚えがないのに国税庁を名乗るメールが届いたなら、本物ではないと考えて、リンクや添付ファイルを開かずに削除してかまいません。

国税庁がメールを使うのは本人が希望した場合だけで、メールやSMSで納付を求めたり差押えを予告したりしないからです。

目的は、支払いをさせること、カード情報や個人情報を入力させること、公式ではないアプリを入れさせることです。

e-Taxを使っていて通知が気になるときは、メールのリンクではなくe-Taxのホームページからログインして確かめましょう。

入力や支払いをしてしまったら、カード会社への連絡と、188・#9110への相談を急いでください。

【参考・出典】

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