この記事では、よく耳にする「庭に実のなる木を植えてはいけない」という話を掘り下げます。一体なぜそう言われるのか、根拠とその内容を明らかにするための情報を提供いたします。
以下の点について深く掘り下げていきます：
- 庭に実のなる木を植えてはならないとされる理由とは？迷信か、それとも根拠のある話か？
- 実践的な観点から見た、庭に果樹を植える際の三つの考慮点
- 一般的な果樹種類20例を紹介し、それぞれの特性を概説
「庭に実をつける木を植えてはいけない」という言葉を信じるか疑問に思うかに関わらず、その背景には理由が存在するのです。
家庭での園芸やシンボルツリーとして果樹はその魅力を放っていますが、一方で躊躇させるような言い伝えや助言も少なくありません。どうして庭に果樹を植えることが推奨されていないのでしょうか？
本記事を読むことで、庭で果樹を植える際の様々な危険性を知り、不測の事態を避ける手助けとなるでしょう。ぜひ最後までご覧ください。
1．庭に果樹を植えるときの迷信とは
一部の地域では、「縁起が悪い」との理由で庭に果樹を植えることに否定的な言い伝えが存在します。
特に、「ビワ」や「イチジク」のような果実を持つ植物が挙げられ、これらの木を植えると家の主が病に倒れやすくなるとされています。
この迷信の背景にはいくつかの説がありますが、代表的なのは「ビワやイチジクが薬用に使用されることから、病人を呼び寄せる」という話です。
ただし、現代の医療技術が発達した今となっては、このような迷信に真実味はあまり感じられません。実際私自身、ビワやイチジクを健康に良い果物として捉えるポジティブな視点を持ちます。
結局のところ、迷信には科学的根拠は存在せず、それを気にするかどうかはその家に住む人々の意識に依存する話と言えるでしょう。
2．実をつける樹木が庭にもたらす現実的な問題点３つ
さて、庭に「実をつける樹木」を植える際に生じるデメリットは、他に存在するのでしょうか？以下でいくつかの例を挙げてみましょう。
庭の景観の悪化
まず一つ目の問題としては、庭の全体的な景観が損なわれる可能性があります。実をつける樹木は、適切に管理されていれば、毎年きれいな花が咲き、鮮やかな葉を茂らせ、美味しい実をもたらします。
しかし、それには落花や落葉、そして食べ残された果実の定期的な掃除が必要となり、手間がかかることを意味しています。
また、地面に落ちた果実を放置すれば、不快な臭いやカビの発生源ともなりうるのです。庭の適切な手入れを怠った場合、魅力的な庭が見る影もなく荒廃してしまう恐れがあるのです。
自然を誘う「実のなる木」の植え付け
次に、植えることで野生動物がやってくる可能性が増えます。「果実をつける木々」は、その実を目指して多くの鳥や昆虫が集まってくる性質があります。
さらに、植えられる木種に応じて、鳥や昆虫以外の生物が訪れる場合もあります。
例えば、ある筆者の知人が自宅の庭にキウイフルーツの木を植えたところ、マタタビ科の植物に惹かれて野良猫が集合し、庭を荒らし始めたとの報告がありました。
中には、わざと野生の生き物を庭に引き寄せるために「果実をつける木」を選ぶ人もいるようです。
しかし、その結果として毛虫が発生することや、鳥や猫などが多く集まり過ぎて糞害といった問題に直面することもあり得ます。
ただし、これらは事前に適切な対策を講じることで、ある程度の対策は可能です。最近では、手軽に設置できる防虫ネットや、鳥を遠ざけるネットなども市販されています。こうした商品を利用してみるのも一つの手段です。
安全性への配慮
庭木の管理を怠ると、過度に育った枝や幹が台風のような荒天時に被害をもたらすリスクが増大します。家屋へのダメージが懸念されるばかりでなく、根の成長も警戒が必要です。
水道管に入り込む根がトラブルの原因となるケースも報告されています。木を植える際には、将来の成長を見越して適切な場所選びと、大きくなりすぎず根も深く張らない植物の選定がポイントです。
さて、これらの観点からおすすめの実をつける樹木について詳しく述べていきましょう。
3．実のなる木の代表的な例20種類をご紹介！
①梅
日本の昔から愛されている木で、寒い季節が終わると美しい花を咲かせた後、夏には甘酸っぱい実を楽しむことができます。
生命力が豊かで、手入れがしやすく、育て始めた方にも人気がある木です。
②ユスラウメ
桜の花が開くころに、梅の花に似た白い花を咲かせ、6月頃にはサクランボに見立てた果実をつけます。
猛暑や冬の寒さにも強く、果実は新鮮な状態で食べるのはもちろん、ジャムやジュースに加工しても美味しく頂けます。日当たりと適度な管理を心がければ、毎年実を収穫できるでしょう。
③アンズ
桜が開花する少し前に花を見せ、初夏には実を成らせるサクラ属の木です。
その実や種子は昔から薬用としても活用されてきました。地面に植えることで、夏を除くシーズンはそんなに水やりに神経を使わずに済むでしょう。
④花梨（カリン）
春の終わりから夏の始まりにかけて白や淡ピンク色の花々を咲かせ、秋には視覚的にも楽しい黄色い実をつけます。
そのまま食べることはできませんが、シロップや酒に漬けて独特の風味を楽しむことができます。涼しい気温を好み、風通しの良い場所で育てると健康に成長する木です。
⑤クチナシ
梔子は「三大香木」に数えられ、初夏になるとジャスミンを彷彿とさせる香りのする白花が開花します。
秋には鮮やかな赤い果実が実り、これはタクアン等の色付け用として昔から日本で使われてきたものです。
⑥センリョウ
冬の訪れを告げる鮮明な赤い果実をつけるセンリョウは、お正月の飾りとしても知られています。
この常緑の低木はセンリョウ科に属し、温暖な地域であれば日陰の場所でも問題なく育ちます。ただし、過度な乾燥は避ける必要があります。果実には毒がないものの、食用には適していないようです。
⑦マンリョウ
目を引く大きな赤い果実が特徴で、ヤブコウジ科に属するマンリョウは、センリョウと同様に、冬に楽しめる縁起の良い植物として庭木などに用いられてきました。
日陰を好み、初心者にも育てやすい性質を持っています。7月には白い花を咲かせ、11月からは赤い果実が楽しめます。
⑧ヤマボウシ
ヤマボウシはその葉、花、果実全てを通じて四季折々の美しさを楽しむことができる植物です。
夏の終わりには、食べられる赤い果実がなります。落葉する種類もありますが、中には常緑の品種も存在するそうです。
⑨ヤマモモについて
しばしば桃と同じ種類と勘違いされることがありますが、実際はバラ科になる桃とは異なりヤマモモ科に分類される植物です。雄株と雌株があり、果実を付けるのは雌株です。
生で食べることもできるほか、煮物などにも使用される多用途な果物です。海風や乾燥した環境、さらには強風にも強い特性を持ち、常緑の高木として知られていますが、比較的成長速度は遅めです。
このため、庭木やプライバシー保護の目隠しとしても好まれることがあります。
⑩レモンの特徴
レモンは常緑の低木樹として広く認知されています。低木であるため、手入れがしやすく、シンボルツリーとしての人気も高いです。
四季咲きの性質を持っており、5月、8月、10月と季節を問わず花が咲き、11月から12月にかけては果実の収穫が可能です。品種によっては、棘がないタイプも存在します。
⑪金柑の育て方
金柑は成果が得やすく、手をかけなくても多くの実をつけることが多い果樹です。暖かさと風通しの良い場所を好みますが、寒さには少々弱く、寒冷地では枝枯れなどの問題に注意が必要とされています。
適切に枝や葉を整えることで、害虫や病気の発生を予防する効果が期待できるようです。
⑫柚子（ユズ）
日本の土地柄に適応しやすい常緑の小高木であり、手軽に栽培できる果樹の一つです。
5月には花が開花し、7月から10月頃には果実を収穫することができます。水不足には強い傾向がありますが、十分な水やりをすることで豊かな実りが期待できるとされています。
⑬柿
日本特有の気候に適しているため、長い間親しまれてきた庭木です。
剪定によって小さな庭でも育てることが可能で、頑強さと長寿を持つ樹木です。
適切な手入れを施すことで、秋ごとにその年の味覚を楽しむことができます。
⑭無花果（イチジク）
花言葉には「多産」「実りのある恋」「裕福」といった意味が込められ、特に家族連れからの人気が高い植物です。
春から初夏にかけて実を付ける品種と、秋に実をつける品種が存在し、秋に収穫時期を迎える品種のほうが育てやすいと言われています。
⑮ザクロ
初夏に美しい赤い花を咲かせ、秋には果実を実らせます。
日々の管理は比較的容易ですが、剪定の際には樹に棘があるため注意が必要です。花を楽しむ品種と実を楽しむ品種が存在し、栽培の目的に応じて選択することができます。
枇杷（ビワ）について
晴れた日差しを好む枇杷は、病気や害虫の被害が少なく、自然な状態での栽培が可能です。
冬季には白色の小花が開花し、6月頃になると収穫の時期を迎えます。さらに、枇杷の木は野鳥を引き寄せるため、自宅の庭で鳥観察を楽しむことができるのでおすすめです。
オリーブの栽培
オリーブはその白みがかった葉が、涼しげな雰囲気を演出する常緑樹です。
暖かく乾燥した環境を好むものの、寒さにも耐えうる強さを持っており、肥沃でない土地であっても育ちます。
しかしオリーブは自家受粉しないため、収穫を目指す場合は異なる品種の木を一緒に植えることが必須です。
ブルーベリー栽培の魅力
初心者にも扱いやすい小果樹カテゴリーに属するブルーベリーは、4月から5月にかけて咲く繊細な花が魅力的であり、観賞用としても評価されています。
実は6月から8月に収穫可能で、日照を好む一方で、寒さへの耐性はあまりありません。
ジューンベリーの特徴
春に美しい花が咲き、6月にはその名のとおり実をつけるジューンベリーは、ガーデニング愛好家からの人気が高いです。生で食べることができる果実と良好な花つきを兼ね備えています。
比較的寒暖の変化に強く、剪定を駆使することで樹高を3メートル程度に保つことも可能です。
ブドウの特徴
ブドウは生食やワイン製造に用いられ、その栽培される品種は世界中で多岐にわたります。
多くの場合、5月頃に咲く花が実を結び、夏から秋にかけての時期に収穫が可能です。
様々な対策が求められるものの、寒暖の変化に強い性質を持つため、ガーデニング愛好家からの注目も高い果樹です。
おわりに
庭木は、植物が育つプランターや植木鉢と異なり、一旦植栽されると、後に取り除く必要が生じた場合に手間やコストがかかることが一般的です。特に大きく生長する木では、伐採や移植には相応の労力と経費が必要になります。
それでも実をつける木々は、季節の変化を身近で感じさせ、花や葉の変わりゆく姿と共に、実の成熟する時期も楽しめます。果樹の場合は、育てるという喜びに加えて鑑賞や味覚の喜びを得ることができるでしょう。
管理の注意点を守ることができれば、「実のなる木」は家族に笑顔や美しい思い出をもたらしてくれるに違いありません。
