24節気を参考にして、冬の訪れを知る方法

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言い伝え・風習

日本固有の二十四節気に従った解説を行います。

  • 冬の始まりについて
  • 二十四節気による冬の区切り
  • 冬が始まる6つの節気について

この度は、「いつから冬が始まるか」という疑問に、二十四節気を参照しながら、簡潔に回答いたします。

なお、日本は長い島国であり、桜の開花時期も地域によって1ヶ月以上の差が見られるほどです。とはいえ、気象庁の公式サイトでは、年12ヶ月を四季に分け、冬をどう区分けしているのでしょうか。それによれば、12月から2月末までを冬季としています。すなわち、一般的には12月が冬の幕開けであり、2月がその終わりとされています。

しかしながら、11月初旬になるとしばしば「本日は立冬を迎え、暦の上では冬の始まりですが、肌寒さはこれから」といった表現がニュースで聞かれます。

実際には、11月初旬を冬と捉えるのは一部地域に過ぎず、中には紅葉がこれからというエリアも存在します。つまり、実際の冬の感覚と暦上の冬のタイミングにはズレがあるのです。

前述した気象庁による冬の区切りはご理解いただけたかと思いますが、この文章では、暦の上での冬が具体的にいつ始まり、終わりを迎えるのかを、二十四節気を参照して解説してまいります。

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二十四節気

先に立冬の件について触れましたが、この立冬は重要な二十四節気のひとつに数えられます。昔、江戸時代には、月の周期を基礎とした太陰暦が使用されていたのです。この太陰暦では、1か月が29日間と定められ、1年は大体354日しかありませんでした。

もし今のように太陽の位置を基準にした太陽暦を採用していれば、毎年決まった時期に同じ季節を迎えることが可能であったでしょう。しかし、1年が11日も短い太陰暦を用いると、月のサイクルと季節の感覚が徐々に狂ってしまう問題がありました。

この問題を修正する手段として閏月を設け、ズレを修正する措置がとられていましたが、これはあくまで一時的な解決策でしかありませんでした。

この問題を完全に克服するために考案されたのが、太陽の運行を基盤とした二十四節気でした。二十四節気では、365日の1年を12で割り、それぞれの区切りに季節を象徴する名称を付けたのです。

日本は春夏秋冬の四季がはっきりしており、それぞれの季節を細かく分ける二十四節気はほぼ均等に配置されています。そうすることで、春夏秋冬各季節に合わせて、それぞれ6つの節気が存在するのです。

冬の期間とその節気

季節の移り変わりを表す二十四節気では、冬は具体的にどの期間を指し、いつ開始し、終了するのかというのは興味深いポイントです。

冬の始まりとなる節気を以下に示します。

  • 立冬
  • 小雪
  • 大雪
  • 冬至
  • 小寒
  • 大寒

これらを突き詰めると、冬の始まりは「立冬」の日となります。

次に、いつが冬の終わりかというと、大寒の次に訪れる節気が立春ですから、春が始まる立春を控えた直前の「節分」が、実は冬の終わりを告げる日とされています。

それでは、これより冬の始まりを告げる各節気について、簡潔に解説します。

冬の訪れを告げる六つの節気

立冬

二十四節気を彩る中で、「立」という文字を含むのは、立春、立夏、立秋、そして立冬となります。

この「立」という字は始まることを意味しており、「立冬」では冬が始まることを示しています。

立冬が訪れる日は、2000年から2030年までずっと11月7日です。

小雪

小雪の次にやってくるのは大雪です。大雪の前段階としての小雪と称されています。

小雪が名づけられた時期は、実際にわずかな雪が降ることがある場合もありますが、主に紅葉狩りで人々が外出する時期に当たります。

小雪が訪れる日は、2016年から2051年まで毎年11月22日です。

大雪

大雪の時期になると、冬のレジャーとしてスキー場がオープンし始めることもありますし、平野部でも雪が積もることが増えてきます。

ただ、この節気は現在では12月の初旬を指しますが、「大雪」というより「師走」という名称の方が馴染み深いかもしれません。

大雪の節気が訪れるのは、1988年から2027年まで毎年12月7日がその日になります。

冬至

二十四節気の中で、冬の幕開けを告げる立冬と並び、冬至もよく知られた節気です。冬至に関連する言葉として「一陽来復」という表現があります。

日本では、冬至の際には特有の風習、例えば冬至かぼちゃを食べたり、ゆず湯に入るという行事が伝わっています。

この日は、一年のうちで日中が最も短く、夜が最も長い時間を持ちます。一方、最も昼が長く夜が短い日である夏至とは対極に位置する節気でもあります。

冬至の月日は、閏年である場合は12月21日、それ以外は12月22日と定められています(1992年~2027年)。

小寒

新年になって最初に訪れる節気は小寒です。冬本番を迎え、雪が降り始めた頃でもありますが、この時期が一年で最も寒いわけではありません。

寒さはこれからが本番ということで、「小寒」と名付けられています。また、小寒から次の節気である立春の前日、節分までを「寒の内」と呼んでいます。

小寒の月日は、閏年とその翌年の場合は1月5日、それ以外の場合は1月6日とされています(1989年~2024年)。

大寒

一年の節気を締めくくるのが大寒です。二十四節気の中でも終わりを迎える大寒は、冬の最終章を飾る節気であり、同時に一年間の節気のラストを飾ります。

大寒の月日はすべての年で1月20日となっています(2017年~2052年)。

暦における冬の期間の解説

この記事では、何時に冬が始まるのかや、いつ終わるのかという事柄について、二十四節気を基準にお話ししています。

二十四節気によれば、冬のスタートは「立冬」であり、終了は「立春」をむかえる前日の「節分」とされています。

昔の太陰暦は1年を354日と定めていたため、徐々に月や季節がずれ始めることとなります。

このため、太陰暦から独立した枠組みで太陽の運行を基に考えられたのが、結果として二十四節気です。

ただし、この二十四節気の日付は、元々は太陰暦に当てはめられていました。

明治時代以後に採用された太陽暦と比較すると、太陰暦は約1カ月の時差があるのが普通です。

例えば、江戸時代の正月は今でいう「立春」にあたり、これは概ね2月4日ごろを指します。

一方で、太陽暦に基づいた現代の正月は1月1日に設定されています。

そのため、太陰暦を採用していた時代の正月は、今日では2月4日となっています。

前述の通り、冬の季節が始まるのは「立冬」からとなります。

だとすると、現代の太陽暦を用いると「立冬」は11月7日になりますが、太陰暦に基づく場合は、それよりも一か月ほど遅れた12月10日頃になるでしょう。

これらの違いから、「暦上では今日から冬が始まる」と11月の初旬に聞かされても、なんとなく実感が湧かないのも無理はありません。

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