新年の業務開始をどう呼ぶ?「仕事始め」と「仕事初め」の違いと、「御用納め」との関係

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言葉の意味

新年に仕事を再開する際の表現について、どれが適切か疑問に思ったことはありませんか?その背景にあるものは何でしょうか。そして、一般的によくある誤用の原因は何でしょう?さらに、「御用納め」との違いは何でしょうか?

これらの疑問に、ここで詳しく解説します。

「始め」と「初め」の使い分けやその根拠、調査によって明らかになった一般的な誤用の傾向、そして「御用納め」の正しい使い方について、わかりやすく説明します。

 

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新年の業務開始は「仕事始め」か「仕事初め」か?

年始に休み明けで仕事を再開する日や、新年に入って最初の業務にはどのような表現が適切なのでしょうか。

この場合、正確な表現は「仕事始め」になります。

「仕事始め」とは、新年が始まって最初に仕事をすることを指します。広辞苑によると、新年に仕事を始めることと説明されており、地域によっては正月の2日目に当たることもあれば、現代では多くの企業や店舗が4日目に業務を再開することが多いです。

「始め」は、「start」、つまり開始の意味合いを持ちます。新年の業務開始は、文字通り「仕事のスタート」というわけです。

一方、「仕事初め」の「初め」は、「first」、即ち「最初」を意味します。「初め」とは、何かが始まるその瞬間や最初を指します。例えば、新年に初めて筆を取って文字や絵を描くことを「書き初め」と言います。「初め」には、「初めて」という意味も含まれています。

つまり、「仕事始め」は具体的な業務再開の日を指し、それが必ずしも「初めて」の業務でないことから、「仕事始め」が新年の業務再開に適した表現と言えるのです。

特にビジネスコミュニケーションでは、これらの表現を間違えると相手に誤解を招く可能性があるため、正しい用法を心掛けましょう。

 

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 新年の「仕事初め」表現の背後にある理由

新年が始まると、ビジネスの世界では「仕事初め」という言葉をよく耳にします。例えば、「年明けの業務開始は1月4日から」といった使い方をします。SNSで行われたあるアンケート調査によると、約25%の人が「仕事初め」という表現を好むと回答しています。

これは、「仕事始め」という表現の方が一般的であるにもかかわらず、「仕事初め」を選ぶ人がまだ一定数存在することを示しています。

この選択には、パーソナルコンピューターやスマートフォンの漢字変換機能が影響しているとされます。

共用デバイスや新しいデバイスを使っている時に、「仕事始め」と「仕事初め」が変換候補に出てくることがあり、間違いだと気づかずに「仕事初め」を選んでしまう人がいるようです。

さらに、年始は「初日の出」「初夢」など、「初」を含む言葉がよく使われます。この時期には「初」という字への親しみや選択の傾向が高まるため、「仕事初め」という表現が選ばれやすいのかもしれません。

しかし、「仕事始め」というのが正しい表現で、新しい年に業務を再開する日、すなわち業務を再スタートさせる日を意味しています。この点を理解しておくことが大切です。

 

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「御用始め」と「仕事始め」の違い

新年が始まるときよく使われる「仕事始め」という言葉がありますが、これと似た表現に「御用始め」という言葉もあります。「御用納め」と「御用始め」は年末年始に報道されたり、日常会話で使われたりします。

そして、一部の人は「仕事納め・始め」ではなく、「御用納め・始め」と表現することを好むかもしれません。
この二つの用語は、基本的に同じことを指しています。

  • 「仕事納め」と「御用納め」は、年末の最後の業務日を意味します。
  • 「仕事始め」と「御用始め」は、新年に業務が再び始まる日を指します。

「御用納め・始め」という言葉には「公的な仕事」というニュアンスが含まれています。これは、歴史ドラマで「御用です!」というセリフを聞いたことがある人なら分かるかもしれません。

それでは、「仕事始め」とは正確に何を意味し、「御用始め」とどう違うのでしょうか?歴史を振り返ると、「捕り手」が犯罪者を捕まえる際に「公務です!」と宣言することがありました。これは、公的な命令に基づく行為だったからです。

「御用納め・始め」という言葉はもともと、宮廷や幕府での業務で使われており、今でも一部の官公庁で「御用納め」が使われています。行政機関では「御用納め」を、民間企業では「仕事納め」を使うことが一般的です。「御用始め」は、1873年に公務員の休日を定める法律が制定されたことで広まり、1960年代までは民間企業でもよく使われていました。

しかし、「御用納め・始め」はその堅苦しさや「公的な仕事」という古めかしい感じから、「仕事納め・始め」へと言い換えられるようになりました。NHKでは基本的に「仕事納め・始め」を使い、官公庁でも同様ですが、公務員の間ではまだ「御用納め・始め」という言葉が使われています。

証券取引所では、「仕事納め」「仕事始め」に相当する言葉として「大納会」「大発会」があります。

 

まとめ

「仕事始め」と「御用始め」は基本的には同じ業務が新年に再び始まることを指しています。

「仕事始め」と間違えて「仕事初め」と書かれることもありますが、正しくは「仕事始め」です。

ただし、言葉は時代とともに変わるものなので、「仕事初め」が将来的に正しい表現となる可能性も完全には否定できません。

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