テレビを楽しむ際に「みる」にはどの漢字を使うべきか、という疑問から始まります。
テレビの前での時間をどのように表現する？「見る」と「観る」は何が違うのでしょうか。
そして、映画を楽しむ時はどうなるのでしょうか。
これらの質問に対して、はっきりとした答えを提供します。
「見る」と「観る」、これら二つの表現が持つ意味の違いと、それぞれがどのような場合に適しているのかを例を挙げて解説します。
テレビを楽しむ際の「みる」の正しい表記は？
例えば、以下のような状況を想像してみてください。
- スマホをいじりつつテレビをチェックする
- テレビを見ている最中にドアベルが鳴る
- 食事中にテレビを見る習慣はない
これらのシーンでは、「みる」にどの漢字を使うべきでしょうか？
話す時はただ「みる」と言いますが、書く時には「見る」と「観る」のどちらかを選ぶ必要がありますね。
テレビを「見る」とは？それとも「観る」？どちらを選んでも間違いではありませんが、迷った時は、「テレビを見る」という表現を推奨します。「見る」は目で何かを認識する行為を広く表す言葉で、「see」や「look」の意味に近いです。
「看る」「観る」「視る」といった表記もありますが、一般的には「見る」を使用します。「見る」は視覚による認識を幅広くカバーする便利な漢字です。ですから、どんな状況でも適切に使えるのです。「テレビを見る」と書いても問題ないわけです。
「見る」と「観る」の意味の違い
「休日はテレビを『みる』か、映画を『みる』で時間を過ごします」
この文脈で、テレビを「見る」と表現し、映画を「観る」と表現する人がいます。しかし、テレビや映画を「観る」とする人もいれば、「見る」とする人もいます。どちらの使い方も間違いではありません。
「見る」と「観る」の意味の違いを詳しく見ていきましょう。
「見る」の意味
『三省堂 大辞林』によれば、「見る」は物の形や色を目で捉えること、または判断することを意味します。目や視覚を用いて物事を理解する行為を指します。
例として、「じっと顔を見る」「力強い体つきを見る」「車窓からの景色を楽しむ」「LINEでメッセージを確認する」「ぼんやりとカーテンが閉じるのを見る」「長らく見ていない間に変わったものを見る」「見ることと聞くことの差」など、多岐にわたるシチュエーションで使用されます。
「見る」は、小学校一年生で習う基本的な漢字であり、常用漢字にも含まれます。文化庁の常用漢字表には、一般社会生活で使われる漢字の指針として記載されており、常用漢字表に載っていない漢字が学校教育で使用されなくなったわけではないこと、常用漢字表が標準的な漢字表記の基準として存在することが説明されています。
「観る」という表記も常用漢字表には含まれていますが、学校教育ではこの読み方は習いません。
「観る」の意味
『三省堂 大辞林』によると、「観る」は興味を持って物事を見たり、劇や映画などを鑑賞する行為を意味し、「見る」とも表記されます。「観る」は、対象に深い関心を持って見る場合に使われます。
例えば、「紅葉狩り」「劇場での鑑賞」「映画鑑賞」「手相を見る」「パレードの観覧」「メダカの生態を観察する」などの場面で使用されます。スポーツ観戦も含まれ、「野球観戦」「相撲を観る」「将棋を観る」などと表現されます。
「観（カン）」は小学四年生で学ぶ常用漢字であり、「観る」という読みは教えられないにもかかわらず、広く使われている表現です。
映画鑑賞の際の「みる」—「見る」と「観る」の使い分け
映画鑑賞時に「みる」という表現を用いる場合、それが「見る」または「観る」であってもどちらも正しいとされます。
しかし、一般に人々は「映画を観る」という言い方を好みます。具体的なものを視覚で捉える場合や、何か特定の対象を楽しみながら注目する時には、「観る」の方が適していると言われています。
そのため、「映画を観る」という表現がより広く受け入れられているのです。
テレビと映画の鑑賞—「見る」か「観る」か、その使い分け
テレビ番組や映画を見る際に、「テレビを見る」、「テレビを観る」、「映画を見る」、「映画を観る」という言い方はいずれも間違いではありません。通常の漢字の使用では、「テレビを見る」や「映画を見る」となりがちです。
どの言葉を選ぶべきか迷う時は、「見る」を選んで間違いありません。「見る」は何かを視覚を通じて認識する際に広く使われます。しかし、「観る」はより集中して何かを見たり、特定のものに興味を持って鑑賞する場合に適した言葉です。
例えば、特定のテレビ番組に深い関心を持って見る時など、テレビ視聴でも「観る」を使うのが適切な場合があります。日常生活で頻繁に使われる「みる」は、「見る」が基本としつつも、何かを深く理解しようとする場合に「観る」が選ばれることがあります。
