2020年、東京のすみだ水族館にいるチンアナゴたちは、訪れる人がいなくなると、次第に人間を恐れるようになったという興味深い報告がありました。
この水族館では、チンアナゴが人間に慣れるために、タブレットを使ったビデオ通話の取り組みが行われ、多くの人々に愛されました(私も試しましたが、残念ながら接続できなかったのが心残りです)。
まだまだ謎に包まれたチンアナゴについて、以下の点に焦点を当てて解説していきます。
- 実際に食べられるのか?
- 自然界での敵はいるのか?
- 体の基部はどうなっているのか?
チンアナゴは食べることができるのか?
「アナゴ」という名前がついているからには、食べられるのかどうか気になるところですね。
その答えは、「食べられないわけではありませんが、特に食用として推奨されているわけではありません」ということです。
調査によると、観賞用とされることが多いですが、「意外と美味しい」と感じる人もいます。しかし、一般的には「食べても大丈夫だが、細身の体から分かる通り、ほとんどが骨で肉はほとんどないので、せいぜい揚げて楽しむ程度か」という意見が多いです。
ペットショップでの価格も一匹数千円するため、試しに食べるには高価ですし、肉の量が少ないのでコストパフォーマンスは良くありません。
私たちが普段食べるアナゴは「マアナゴ」と呼ばれ、チンアナゴとは同じアナゴ科でありながらも、異なる亜科に分類されます。Wikipediaなどで分類表を確認すると、これらが全く異なる生物であることがよく分かります。
したがって、「チンアナゴは鑑賞用、マアナゴは食用」と覚えておくといいでしょう。
チンアナゴは見た目も可愛らしく、食べることには少し抵抗がありますね。
生物がここまで細かく分類されていることに、改めて驚かされます。
チンアナゴに関する自然の謎
チンアナゴの自然界での敵とは?
私たち人間には食用としてはあまり馴染みのないチンアナゴですが、彼らにとっての自然界での敵は存在するのでしょうか。
調べてみたところ、特定の生物を特定することはできませんでしたが、一般的に大きな肉食魚がチンアナゴの主な脅威であると考えられます。
チンアナゴは極めて警戒心が強く、そのために捕食される瞬間を見た人はほとんどいません。動画などで見ると、大型の魚が近づくと、チンアナゴは素早く隠れる様子が確認できます。
このように警戒心が強いのは、攻撃手段を持たない小さな生物としては、生存上必要な戦略なのかもしれません。
チンアナゴも生きるためには食事が必要で、彼らの食事は主に動物性プランクトンです。潮流に乗ってやってくるプランクトンを捕食するために、常に一定の方向を向いていることが多いです。
時には、餌を追い求めて砂から完全に姿を現すこともあります。
チンアナゴの尾の秘密
チンアナゴが砂に潜る際の先端部分には、興味深い特徴があります。チンアナゴの体の先端が細く尖っているのは、その大部分が尻尾で構成されているからです。
お腹の黒い点が肛門であり、その後ろの部分全てが尻尾にあたります。この尾は、砂をかき分けて巣穴を掘る際に役立つ硬さを持っています。
大阪のニフレルのような施設では、透明な人工砂を使った飼育を通じて、チンアナゴが巣穴の中でどのように過ごしているかを観察することができます。
そこでは、チンアナゴが直線ではなく、波打つように収まっている姿を見ることができます。この生き物について学ぶほどに、その魅力に引き込まれていくことでしょう。
チンアナゴについての知識
チンアナゴについて少しでも知見を深めようとすると、まだまだ未解明の事柄が多いことに気がつきます。専門家の研究や記事も、思ったよりも詳細な情報を提供しているわけではありません。
すみだ水族館ですら、多くの謎に包まれていると言います。もし、お子さんがチンアナゴに興味を持ったなら、その好奇心を大切に育ててあげてください。
将来、チンアナゴ研究の第一人者となるかもしれません。