東京には都営地下鉄と東京メトロの二つの主要な地下鉄運営者があります。これらはどのように異なり、どのような特徴があるのでしょうか？
また、基本的な運賃体系はどうなっているのでしょうか？ここではこれらの疑問に答えていきます。
東京の都営地下鉄と東京メトロの違いを解説
都営地下鉄は東京都が運営し、東京都交通局が管理しています。一方、東京メトロは民間企業で、正式名称は「東京地下鉄株式会社」とされています。
日本では、札幌から福岡までの9都市で地下鉄が運行されていますが、東京を除く他の8都市はすべて市が直接運営しています。これは、地下鉄建設の高コストが原因で民間企業が投資を避けるためです。
しかし、東京では、地方自治体と民間企業が協力して地下鉄を運営している点が他と異なります。
「東京メトロ」という名前は、東京地下鉄株式会社の登録商標であり、その名はロンドンの最初の地下鉄であるメトロポリタン鉄道に由来しています。「メトロ」という語は世界中で地下鉄を指す言葉として一般的に使われています。
東京の地下鉄には都営地下鉄と東京メトロの二つがあり、初めて東京を訪れる人や外国人観光客にとってはやや複雑で混乱しやすいかもしれません。地元の人々でさえ、新しい地域へ行く際には路線図を確認する必要があります。
このため、外来者にとってはさらに理解が困難です。東京地下鉄株式会社は、かつて交通営団と呼ばれ、現在は国と東京都が株を持つ特殊な形態の民間企業です。
都営地下鉄と東京メトロの設立の背景は異なります
都営地下鉄と東京メトロは、設立当初から目的が異なっていました。
東京メトロはもともと、民間企業が運営する地下鉄として設立されました。一方、都営地下鉄は設立当初から地下鉄運営が主目的ではなく、もともと東京都が路面電車やバスを運営していました。
しかし、戦後の交通需要の増加に応じて地下鉄の運営免許を取得し、昭和35年に浅草線を開業させたことが都営地下鉄の始まりです。
その後、元々銀座線を運営していた営団地下鉄が民営化され、現在の東京地下鉄株式会社（東京メトロ）へと移行しました。この歴史的な経緯が、現在も両者の運営形態の基盤となっています。
都営地下鉄と東京メトロの路線網の違い
都営地下鉄は4路線、東京メトロは9路線を運営しています。
都営地下鉄が運営する路線
都営地下鉄は浅草線、三田線、新宿線、大江戸線の4つの路線を管理しています。
浅草線の特徴
浅草線は、東京23区の北部と南部を結び、交通アクセスが限られていた地域（馬込沢、押上駅など）を通過することが特徴です。路線は東京都大田区の西馬込駅から墨田区の押上駅までを結んでいます。
三田線の概要
本文：三田線は、かつて東洋最大とされた板橋区の高島平にある大規模な団地と都心部を結びます。現在、東急目黒線とのみ直通運転を行っています。路線は東京都品川区の目黒駅から板橋区の西高島平駅までを結んでいます。
新宿線の路線情報
新宿線は東西に展開し、北側にはJR総武線、南側には東京メトロ東西線が走っています。京王線との相互直通運転も行っています。路線は東京都新宿区の新宿駅から千葉県市川市の本八幡駅までを結んでいます。
大江戸線の紹介
大江戸線は東京を一周する環状路線で、全長40.7km、日本で最も長い地下鉄路線の一つです。全38駅のうち26駅で他の鉄道路線との乗り換えが可能です。東京都新宿区の都庁前駅を起点に、練馬区の光が丘駅間の放射部で構成されています。
東京メトロの路線網
東京メトロは、日比谷線、銀座線、丸ノ内線、東西線、南北線、有楽町線、千代田線、半蔵門線、副都心線の9路線を運営しています。
日比谷線
東京都足立区の北千住駅から東京都目黒区の中目黒駅までを結ぶ路線です。
銀座線
東京都台東区の浅草駅と東京都渋谷区の渋谷駅を結んでいます。
丸ノ内線
東京都豊島区の池袋駅から東京都杉並区の荻窪駅までの本線と、東京都中野区の中野坂上駅から東京都杉並区の方南町駅までの分岐線で構成されています。
東西線
東京都中野区の中野駅から千葉県船橋市の西船橋駅までをつなぐ路線です。
南北線
東京都品川区の目黒駅から東京都北区の赤羽岩淵駅までを結ぶ路線です。
有楽町線
埼玉県和光市の和光市駅から東京都江東区の新木場駅までをつなぐ路線です。
千代田線
東京都足立区の綾瀬駅から東京都渋谷区の代々木上原駅までの本線と、綾瀬駅から東京都足立区の北綾瀬駅までの支線で構成されています。
半蔵門線
東京都渋谷区の渋谷駅と東京都墨田区の押上駅を結ぶ路線です。
副都心線
埼玉県和光市の和光市駅から東京都渋谷区の渋谷駅までを接続する路線です。
都営地下鉄と東京メトロの料金体系について：違いを比較
運営組織が異なるため、都営地下鉄と東京メトロでは初乗り運賃が異なります。
- 都営地下鉄：180円（IC178円）
- 東京メトロ：170円（IC168円）
私も両方の路線を利用しており、都営地下鉄の初乗り運賃の方が高いと感じています。
東京の地下鉄システムを効率的に使うには、路線や地図の知識が必要ですが、特に乗り継ぎの際には運賃の違いに注意することが大切です。
東京生まれの友人が、内幸町駅（都営地下鉄）から虎ノ門駅（東京メトロ）への短い距離を、地理に不慣れなため地下鉄で移動したことがありますが、これにより不要な時間と費用がかかってしまいました。
実際には、都営地下鉄と東京メトロを乗り継ぐと、それぞれの初乗り運賃が加算され、総額が高くなります。
この問題に対して以前から批判があり、運賃統合の提案も検討されていますが、まだ具体的な進展はありません。
2023年3月には、東京メトロが全路線の運賃を10円引き上げることを発表しました。これは28年ぶりの大きな変更です。
都営地下鉄と東京メトロ：運営背景と運賃の違いについての解説
都営地下鉄と東京メトロの違いは、運営主体に由来します。
「都営地下鉄」は東京都が運営し、公営の地下鉄として運行されています。
一方、「東京メトロ」は民間企業が運営する東京地下鉄株式会社として知られています。
都営地下鉄と東京メトロは、それぞれ独自の路線を持ち、運賃体系も異なります。
地下鉄の乗り継ぎには地図が役立ち、時には駅の位置を知ることで時間とコストを節約できます。
目的地がはっきりしている場合は、歩いて移動した方が早いこともありますから、事前にルートを調べておくことが重要です。
