人生の様々な局面や生活環境の変化、自身や家族の状況などによって、親戚との関わり方を再考する必要が生まれることがあります。
適切な関係の見直し方や、そうした変化をきっかけに親戚付き合いを上手に距離を置く方法について、いくつかのポイントを紹介します。
親戚付合いはいつまですればいい？
親戚の分類：血族と姻族
日常的に使われる「親戚」という言葉ですが、これには２つの大きなカテゴリが存在します。
- 血族…血のつながりを持つ家族
- 姻族…婚姻を通じてつながった家族
血族は、直接的な血縁関係を有する親族、つまり自然血族のことを指します。法律によって家族と認められた養子も、法定血族として血族に数えられます。
一方で姻族は、配偶者の血族を指し、姻戚とも称されます。配偶者自体は「配偶者」というカテゴリーに属し、血族または姻族のどちらにも属さない個別の存在です。例えば、あなたの子どもや兄弟姉妹の配偶者は姻族に分類されます。このように身内の範囲とは少し複雑です。
なお、兄弟姉妹とその子孫が多い家系では、数えると親戚の数は相当なものになることがあります。
親戚関係はいつまでも存在する
皆さんが考える「血族」、その結婚相手である「姻族」、そしてその配偶者の親族も含めて、これらの人々が全て亡くなることがない限り、親戚は存在し続けます。
親戚関係はある日突然なくなるようなものではなく、また終わりがあるものでもありません。さらに、もし皆さんが子供を持ち、家庭を築くようになれば、新たな親戚関係である「子孫」が誕生することとなります。このようにして親戚との関わり合いは基本的に永遠に続くのです。
しかしながら、親戚との交流を続けるのが難しい、あるいはわずらわしいと感じることがあれば、その関係を断ち切るタイミングはいつでも選ぶことができます。続けなければならないというルールは存在せず、途中でやめることについて、特別なきっかけや理由を見つける必要はありません。
例えば、一人暮らしの方や、家族が配偶者だけの場合、親戚との付き合いで悩むことは少ないでしょう。これは、家族の形態がシンプルであるため、家族行事や相続などの際に多くの人と調整する必要がないからです。
親戚関係の絶縁に適切なタイミングは存在するのか
ご紹介したように、親戚との関係が辛くとも、それを断ち切る具体的なタイミングは特に設定されているわけではないのです。就職や教育の場を離れるときのような、明確な終わりがあるわけではありません。
親戚付き合いを断つタイミングなど存在しない
悲しいかな、親戚付き合いを辞める最適な機会は一切存在しません。辞めたいと感じたときに自分の意志で距離を取るのがよいでしょう。
シンプルに考えることが、自身の精神の安定にも繋がります。
両親が亡くなったら親戚付き合いは終わるのか
親の死後に親戚との付き合いを断つタイミングだと考える人もいますが、それは必ずしも真実ではありません。
現実には、両親が築いた親戚関係も時間が経てば変化していきます。歳を重ね、次第に亡くなる親戚や、生活圏が変わり疎遠になることもあるのです。
もちろん、おじやおば、いとこといった親族と良好な関わりがあれば問題はありませんが、そうでない場合には徐々に連絡を取らなくなり、自然と疎遠になっていくことでしょう。ただし、仏事などで再び連絡をとることになるかもしれないため、いきなり終わるとは限りません。
結婚後の親戚関係の変化
結婚すると自分の実家の家族と距離が出来ることがありますが、その一方で配偶者の家族、即ち姻戚が新たな親戚として加わり、親戚としての交流が始まります。
引越しで親戚関係は希薄になるのか
遠くへの引越しを機に、親戚との間柄が希薄になりがちです。
特にお盆や年末年始などの集まりに顔を出す機会が少なくなるのはよくあることです。
ただし、これで親戚との繋がりが完全に絶たれるわけではないのです。
子供の成長と親戚付き合い
お子様が成長し、クラブ活動や部活動、それに習い事や受験勉強などに忙しくなるにつれて、親戚での集まりに参加するのが難しくなることがあります。
その結果、親戚との交流が希薄になることもあるかもしれませんが、それで親戚関係が完全に終わるわけではないのです。
ライフスタイルの変化による人間関係の見直し
ライフステージの変化というのは、たとえば子供の自立、記念となる年齢の到来、あるいは定年退職などの節目を指します。
これらの大きな変わり目は、人との関わり方の再検討や人間関係の再編につながることが多いです。
しかしながら、たとえ自分の生活が変わったとしても、親族との結びつきが即座に終了するわけではないのです。
親戚付き合いをやめる方法！スマートに疎遠になるやり方は？
親戚付き合いを継続することが難しい、または煩わしいと感じていても、不要なトラブルを起こしたり、両方にとって気まずい思いをさせることは避けたいものです。
そこで、上手く距離をおきつつ親戚付き合いを緩やかに終息させるテクニックを探っていきましょう。
自らの関与を控えて距離を取る
家族の絆は複雑であり、「もう親戚付き合いはしない」と突然宣言するのは現実離れしており、両親や兄妹を巻き込むことで問題が起こることも考えられます。
突然関係を断つのではなく、少しずつ距離を取っていく方法が望ましいでしょう。
親戚との関係を段階的に疎遠にする方法
- 基本的には自分から親戚に関わったり、連絡を取ったりしない
- 親戚から誘われた場合、たまには顔を出す
- 大切なイベントのみに参加し、それ以外の集まりには現れない
- 会った際には挨拶にとどめ、礼儀をわきまえた範囲の対話を心がける
- 重要な行事にも次第に参加しなくなり、そうすると関わりがほぼなくなる
適度な行事に出席することから始め、徐々にその基準を厳格化することで、最終的には全ての行事に不参加になるようにするのが良いでしょう。面倒かもしれませんが、数年かけて徐々に距離を置くことが安全です。
時間をかけてゆっくりと関わりを減らしていくと、最終的には親戚からの連絡も少なくなります。もし連絡があったとしても、「事情があって今回は参加できない」と正直に伝えるのがベストです。
急に参加しなくなると心配されたり、親から問い詰められたりすることがあるため、徐々に参加する機会を減らしていくことがポイントです。時間が経つにつれて、親戚もその状態に慣れ、声をかけてこなくなるでしょう。
お中元やお歳暮による季節の挨拶の提案
たとえ親戚の集いへの参加が難しい、または手間を感じる場合でも、物品を通じた挨拶であれば気軽かもしれません。以下のような代替方法を検討できます。
- 集まりに出席できない時には、お中元やお歳暮などで代用する
- 法事などの宗教的行事でお供え物を贈ることも一つの方法です
- 時節のあいさつとして、お中元やお歳暮を利用する
- また、年賀状や暑中見舞いのハガキにすると、比較的簡単な作業ですむこともあります。
お中元やお歳暮を贈る際は、「日頃の感謝の気持ち」を表す習慣として認識されていますので、一度始めると継続が望まれます。途中で止める場合はそのタイミングに迷いや悩みが生じる可能性があるため、注意が必要です。
周囲への気兼ねを抑える
親戚づきあいに関して「やめたいけれども、やめたくてもやめられない」と苦悩しているなら、なぜ断ち切ることが難しいのか、じっくり思案してみるのが良いでしょう。
皆がそうしているから、仕方なく…
嫌々ながらも跡を絶たない親戚付き合いを送っているのであれば、それを断ち切っても大丈夫だと知ってください。行くことによるペナルティが存在するわけではありません。
従って、行きたくないのならば、無理して足を運ばなくても問題ありません。行かなくて済むのであれば、「親戚付き合いをやめる」と決める必要性もなくなるでしょう。
過去から続くので、今さら変えられない…
長年の習慣が物言いそうですが、それはただの慣行でしかありません。自分の決断で変更することができます。心配ご無用です。
親戚づきあいをやめたら、風当たりが強くなる…
たとえ人の視線が気になったり、陰で悪口を言われたりしても、手間がかかる親戚付き合いから開放されることを考えましょう。
連絡先の変更が現実的か
もし連絡を避けたい親戚がいる場合、連絡先の変更も一つの方法になるかもしれませんが、実際にはそれが現実的な選択肢であることは稀です。
特定の親戚だけが知っている連絡先というものが存在すれば可能かもしれませんが、そういった連絡先はほとんど存在しないでしょう。このような方法を検討すること自体がほぼ無意味です。
総括：親戚付き合いをやめることについて
合わない親戚とのつきあいは辛いものですが、それを完全に断つ必要はありません。一気に関係を断つよりも、徐々に距離を置くことによって自然と疎遠になることが、時間がかかっても穏やかな解決策となるでしょう。
「親戚との付き合いをやめたいけれども、やめられない」と感じてプレッシャーを抱えている場合、あまりにも周囲の目を気にしすぎている可能性があります。たとえ配偶者や両親、義理の親などから何か言われたとしても、あなたが参加を選ばなければそれで良いのです。親戚との交流は義務ではなく、必要以上に深刻に考える必要はありません。
