情報漏えいが相次ぐ今、個人の対策は?口座とパスワードの確かめ方と相談先

情報漏えいが相次ぐ今、個人の対策は?口座とパスワードの確かめ方と相談先 インターネット

情報漏えいが相次ぐ中で個人ができる対策の中心は、パスワードの使い回しをやめる、多要素認証を設定する、メールやSMSのリンクから開かない、の3つです。

2026年10月は、eギフトの不正発行や、証券口座・FX口座での意図しない取引の発表が続き、自分は大丈夫かと気になっている人も多いでしょう。

発表があっても、すぐに自分の口座やお金に影響が出るとは限らず、どの情報が対象かで取る行動は変わります。

デジタル庁・警察庁・金融庁の呼びかけをもとに、状況別の行動、口座の確かめ方、相談先の電話番号をまとめました。

※2026年10月27日時点の情報です。

最新の情報は公式サイトでご確認ください。

情報漏えいが相次ぐ今、自分は大丈夫?個人の状況別の対策

情報漏えいが相次ぐ今、自分は大丈夫?個人の状況別の対策

そのサービスを使っていない人は普段の対策を見直し、使っている人は公式の発表を確かめてパスワードを変えれば、多くの場合は次の行動を決められます。

まず、自分の状況に近い行を見てください。

自分の状況 今どうなっているか・見込み 取る行動
ギフティのeギフトを持っている・受け取った 会社の発表では、保有分が不正に使われた形跡も個人情報の漏えいも確認されていない 普段どおり使い、正規の案内や公式アプリから開く
使っているサービスから漏えいのお知らせが届いた 漏えいした項目と原因が通知に書かれる。まだ「可能性」の段階のこともある 通知のリンクを使わず公式サイトで発表を確かめ、パスワードを変える
証券口座・FX口座を持っている 金融庁は、ログイン時・取引時・出金時の多要素認証と通知の設定を呼びかけている 多要素認証と通知を有効にし、取引履歴と残高を確かめる
お名前.com デスクトップクラウドを使っていた 全プラン停止中。見舞金の連絡は10月30日まで、補償の申請方法は11月6日までに案内される予定 サーバー以外の端末で取引口座のパスワードを変え、取引先に相談する
身に覚えのない取引やログインに気づいた 同じパスワードを使っていれば、ほかのサービスにも広がるおそれがある サービスの窓口に連絡してパスワードを変え、警察の窓口にも相談する

SNSでは、この先さらに大きな影響が出るのではと心配する声もあります。

ただ、各機関が10月に個人へ求めているのは、表にある今日からできる対策です。

漏えいの通知が届く条件と書かれる内容

個人情報保護委員会によると、2022年4月1日から、企業は一定の漏えいがあったときに国への報告と本人への通知をしなければなりません。

対象は、要配慮個人情報が含まれる場合、財産的な損害が出るおそれがある場合、不正な目的で漏えいした場合、1,000人を超える漏えいがあった場合の4つです。

本人への通知には、概要、漏えいした個人データの項目、原因などが書かれます。

どの項目が対象かによって、パスワードを変えるのか、カードの明細を見るのかが変わるので、まずは項目を確かめてください。

一人ひとりに通知できないときは、ホームページでの公表や問い合わせ窓口の設置で代えることもできます。

メールが届いていなくても対象になっていることがあるので、使っているサービスの公式サイトのお知らせも見ておきましょう。

漏えいの公表は前年より49%増えている

MM総研の調査では、2026年1〜9月に国内で公表されたサイバー攻撃による情報漏えいは454件で、前年同期の304件から49%増えました。

業種別では、情報通信が88件で約2.7倍、製造業が52件から80件、教育・学習支援が24件から45件です。

JPCERT/CCは、2026年9月前後から国内の組織で不正アクセスによる漏えいが相次いでいるとして注意を呼びかけています。

一般向けのアプリだけでなく、社内の管理システムなどから情報が持ち出された例もあるそうです。

IPAも10月9日、金融機関や通信事業者などで公表が続いているとして、企業に外部に公開しているシステムの点検を求めました。

個人情報を含む大量のデータを扱うオンラインサービスが狙われているとしています。

10月に発表された主な不正アクセスと個人への影響

10月に発表された主な不正アクセスと個人への影響

eギフトの件は顧客の保有分への影響が確認されておらず、個人が動く必要が大きいのは、FX用のサーバーや証券の取引システムに関わる件です。

発表は調べが進むにつれて更新されるので、最初の発表だけで判断しないことも大切です。

ギフティのeギフトの不正発行(最大約5億5000万円分)

ギフティグループは2026年10月26日、子会社のギフティが運用するシステムの一部が不正アクセスを受けたと発表しました。

日本経済新聞によると、不正アクセスは25日に起き、第三者がシステムを通じてeギフトを不正に発行しました。

不正に発行された額は最大で約5億5000万円分で、会社は10〜12月期に特別損失として計上する見込みです。

顧客が持っているeギフトが不正に使われた形跡はなく、顧客の資産が減ったことも、個人情報の漏えいも確認されていないとしています。

対象のシステムは25日のうちに止め、今後も使わない方針です。

時事通信によると、その影響で一部のギフト券の交換サービスに不具合が出ましたが、順次復旧しています。

会社は不正に発行された分が使われていないかを調べ、できるものは取り消すなどの措置をとるそうです。

警察にも届け出て、eギフトの発行の管理と監視を強めるとしています。

証券・FXの件:お名前.com デスクトップクラウドと岩井コスモ証券

GMOインターネットの「お名前.com デスクトップクラウド」は、FXの自動売買ソフト(MetaTrader 4/5など)を動かすための仮想のサーバーです。

10月20日に一部のサーバーで第三者が不正なプログラムを置いていたことが分かり、影響があるかもしれないサーバーは26,739件です。

21日4時から全プランを順に止め、22日の第2報では、サーバーに保存されていた取引口座のログイン情報などが使われた可能性があると発表しました。

J-CASTニュースによると、21日の時点では情報が使われた事実は確認されていないとしていたので、1日で内容が変わった形です。

10月24日の第4報では、見舞金と損失の補償を決めました。

見舞金はいま使っているすべての人に一律5,000円で、損失の有無は問わず、10月30日23時59分までに登録メールアドレスに連絡が届く予定です。

損失の補償は、会社が調べて不正アクセスが原因と認めた取引で、実際に出た損失(取引の差損や手数料など)が対象です。

市場の値動きによる損失や、得られたはずの利益は補償の対象外です。

申請の方法や必要な書類は、11月6日までに公式サイトとメールで案内されます。

岩井コスモ証券は、委託先への不正アクセスで、合計4,975名の氏名やメールアドレスなどが流出したと発表しました。

Impress Watchによると、10月14日には売買を管理するシステムも不正アクセスを受け、7口座で顧客の意図しない注文が出され、そのうち5口座で売買が成立しています。

対象の顧客には14日に個別に連絡し、取引の前の状態に戻す措置を終えています。

会社は、流出した情報では証券口座にログインしたり取引したりはできず、意図しない注文にも流出した個人情報は使われていないと説明しています。

個人でできる情報漏えいの対策は3つ

個人でできる情報漏えいの対策は3つ

デジタル大臣は10月6日の記者会見で、パスワードの使い回しをやめる、多要素認証を使う、不審なメールやSMSに注意する、の3つを国民に呼びかけました。

警察庁と金融庁の案内も、この3つに端末の更新を加えた内容です。

パスワードの使い回しをやめ、多要素認証を設定する

同じパスワードを使っていると、一つのサービスから漏れた情報で、ほかのサービスにもログインされるおそれがあります。

デジタル大臣はサービスごとに違うパスワードを設定するよう求め、金融庁はパスワードを長く、推測されにくいものにするよう案内しています。

見直す順番は、銀行、証券、カード、メールのように、お金や本人確認に関わるサービスからにすると効率的です。

お名前.com も、サーバーに保存していたパスワードと同じものをほかで使っていれば、そちらも変えるよう求めています。

多要素認証は、パスワードに加えて、スマートフォンでの確認やワンタイムパスワードなどを組み合わせてログインする仕組みです。

IDとパスワードが漏れても、不正なログインを防げる可能性が高くなります。

金融庁は、ログインのときだけでなく、取引、出金、出金先の口座を変えるときにも、多要素認証や通知サービスを有効にするよう案内しています。

パスキー認証のように偽のサイトに入力させられにくい仕組みが用意されたら、早めに設定するよう求めています。

メールのリンクから開かず、スマホとパソコンを最新にする

漏えいの発表のあとは、その企業を名乗るメールやSMSが届くことがあります。

警察庁は、情報が流出した企業をかたる偽のメールの可能性があるとして、リンクを安易にクリックしないよう呼びかけています。

金融庁は、見覚えのある送信者からのメッセージでも、載っているリンクは開かないよう案内しています。

正しいURLをブックマークに登録し、ブックマークや公式アプリから開くのが基本です。

お名前.com も、メールや電話でパスワードやカードの情報を尋ねることはないと明記しています。

10月26日の第7報では、「お金を取り戻す」などとして費用を求める連絡には応じないよう呼びかけています。

金融庁は、パソコンやスマートフォンのOSを最新にし、ウイルス対策ソフトを入れて更新し続けるよう案内しています。

警察庁は、不審な電話番号からの着信を警告・ブロックできる「警察庁推奨アプリ」を入れることも勧めています。

証券口座・FX口座の確かめ方と相談先

証券口座・FX口座の確かめ方と相談先

証券口座やFX口座は、取引履歴と残高をこまめに確かめ、身に覚えのない取引があれば、まずその会社の窓口に連絡します。

あわせて、内容に合った公的な相談先も使い分けましょう。

口座の取引履歴と残高を確かめる

金融庁は、不審なサイトに情報を入力したかもしれないときや不審な取引があったときは、証券会社などの窓口に連絡し、すぐにパスワードを変えるよう案内しています。

お名前.com デスクトップクラウドを使っていた人は、取引ツールと取引口座のパスワードを、サービスのサーバー以外の端末から変えます。

変えたあとはログオフしてつながりを切り、取引先が二段階認証を用意していれば設定します。

身に覚えのない取引があれば、取引先の会社に第三者による取引であることを伝え、取り消しや返金を相談します。

補償の申請では、取引の日時や内容、損失の額が分かる資料を出すことになります。

お名前.com の問い合わせは、お問い合わせフォームか電話(03-5456-2560、平日10時〜18時)で受け付けています。

問い合わせが集中していて、返事に時間がかかることがあるそうです。

相談先の電話番号と受付時間

相談先 相談できること 電話・受付
各サービスの問い合わせ窓口 身に覚えのないログイン・取引、補償の手続き 公式サイトに載っている番号
警察相談専用電話・サイバー犯罪相談窓口 不正アクセス、不審な連絡 #9110、最寄りの警察署
IPA 情報セキュリティ安心相談窓口 情報漏えいのあとの個人での対処、ウイルスや不正アクセスの技術的な相談 03-5978-7509、10時〜17時(土日祝・年末年始を除く)
金融庁 金融サービス利用者相談室 証券口座など金融サービスの相談 0570-016811(IP電話は03-5251-6811)、平日10時〜17時
消費者ホットライン 近くの消費生活センターなどの案内 188(相談料は無料、通話料はかかる)

IPAの窓口はメール(anshin@ipa.go.jp)でも相談でき、5営業日以内をめどに返事が届きます。

相談の前に、端末の種類やOS、何がいつ起きたかを整理しておくと話が早く進みます。

IPAの窓口では、法律の解釈や契約・支払いの相談、個別の端末の調査は受け付けていません。

お金の取引はサービスの窓口や金融庁の相談室、契約のことは188と、内容で使い分けてください。

まとめ:情報漏えいが相次ぐ今は個人の基本の対策から

情報漏えいの発表が相次ぐ今、個人の対策はパスワードの使い回しをやめ、多要素認証と通知を設定し、メールのリンクから開かないことが基本です。

  • ギフティのeギフトは、保有分の不正利用が確認されていないので普段どおり使う
  • 漏えいのお知らせが届いたら、公式サイトで漏えいした項目を確かめる
  • お名前.com デスクトップクラウドの利用者は、10月30日までの見舞金の連絡と11月6日までの補償の案内を待つ
  • 証券口座・FX口座は、取引履歴と残高をこまめに確かめる

身に覚えのない取引に気づいたら、まずサービスの窓口に連絡し、#9110やIPAの窓口にも相談しましょう。

【参考・出典】

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