もしもある日、急に携帯電話に中国語で話す人からの着信があったら、皆さんはどのように対応しますか？
中国語がわからない人にとっては、「申し訳ありませんが、通話を終了します」と言ってすぐに電話を切ることが普通の反応かもしれません。
その上で、その着信が国際電話だった場合の料金について心配する方もいるでしょう。
「あの電話はもしかして中国からだったかも」と不安に思い、結局は携帯電話会社に問い合わせてしまうかもしれません。
この記事では、そんな経験を基に、中国から電話に出てしまった不安や疑問、そしてどのように対応すればよいかを説明しています。短時間で読める内容なので、ぜひ参考にしてみてください。
海外、特に中国からの着信時、料金は発生するのか？
中国を含む海外からの通話を受けた場合、着信だけで料金がかかることはありません。
電話料金の基本的な仕組みを理解していれば、無駄な混乱を避けることができます。基本ルールは以下の通りです。
- 電話をかけた場合は料金が発生します
- 電話を受けた場合は料金はかかりません
では、なぜ国際電話の着信に料金が発生すると誤解されるのでしょうか？
この疑問に対し、次のセクションで詳しく解説します。
中国からの着信についての誤解と料金への懸念
中国からの電話を受ける際に生じる通話料に関する誤解は、中国語の通話に対する不安や国際ローミング料金についての理解不足、その他の要因によるものです。
中国からの突然の着信にパニックになることは一般的です。特に、「高額な通話料金につながるかもしれない」という心配がよくあります。
国際通話の費用に関する知識が乏しい場合、不安になるのは当然です。携帯電話のプランが変わる可能性があり、これがさらに混乱を招くことがあります。
中国語での通話に慣れていない
中国からの着信はめったにないため、多くの人が中国語での通話に戸惑い、困惑します。
このような時、国際通話料金について冷静に考えるのが難しくなります。疑問が生じたとき、通常、料金に関する心配が先に立ちます。
国際ローミングに対する理解が足りない
国際ローミングとは、海外で携帯電話を使用する際に、契約国外のネットワークを利用して通常よりも高い料金がかかることです。
海外からの通話が高額になるという認識があり、これが中国からの着信料金が高いと感じる原因の一つとなっています。
しかし、実際には国際ローミングを利用しているときだけ着信料が発生し、国内で契約した携帯電話で中国からの着信を受けた場合に追加料金がかかることはありません。
その他の要因
一般的に、中国からの着信で追加料金がかかることはありませんが、国によっては通話料金のシステムが異なり、これが誤解を招くことがあります。
たとえば、アメリカでは着信時にも料金が発生することがあるため、これらの国際的な料金体系の違いが誤解の原因となることがあります。
国際電話の料金について
国際電話、特に中国や他の海外地域への通話に関して料金が発生する主な理由は、「携帯電話から固定電話へ通話を転送した場合」「受話者が代金引受通話（コレクトコール）を受け入れた場合」「海外で電話を受けた場合」です。
予期せぬ高額な通話料金に遭遇しないよう、注意が必要です。
携帯から固定への通話転送
携帯電話から固定電話へ通話を転送するサービスを利用する際には、特定の料金がかかります。
この料金は、契約している携帯電話会社や選んでいるプランによって異なりますので、使用前に通信事業者に確認することが推奨されます。
コレクトコールに同意した場合
コレクトコールとは、本来発信者が負担すべき通話料金を受話者が支払うシステムです。
このシステムを利用する場合、オペレーターが「この通話の料金を負担しますか？」と受話者に尋ねます。受話者がこれに同意した場合、通話料金は受話者の責任となります。
海外での受話
海外に滞在中に電話を受けると、受話に関わる料金が発生することがあります。
この料金は、滞在している国や契約している通信会社によって異なるため、海外での電話利用に際しては特に注意が求められます。
中国からの不審な電話にご注意を！なぜかかってくるのか？
日本に住む中国人は、しばしば中国からの詐欺電話のターゲットにされています。
スマートフォンに着信があると、通常は中国の国コード+61が表示されます。
電話に出ても追加の通話料金はかかりませんが、厄介なトラブルに巻き込まれる可能性があるため、無視することをお勧めします。
固定電話で受けると、発信国がどこであるかが分かる前に電話に出てしまうことがあります。中国語が聞こえた場合、すぐに切っても構いません。
一度応答すると、次のような詐欺が始まることがあります。
流れる中国語ガイダンス
一般的には中国語のアナウンスが流れ、それが中国の警察や大使館からの連絡であると偽ります。
「重要な料金の支払いについてのお知らせです。オペレーターと話すためには〇番を押してください」と案内されると、多くの人がその指示に従います。
オペレーターとの通話が始まると、ビザの問題や、あなたの名前で行われている詐欺についての不安を煽る情報が伝えられ、支払いを要求されます。
過去の被害事例には、以下のケースが報告されています：
- 9月30日：50代の女性が中国警察を装った詐欺師に3600万円を騙し取られました。
- 11月18日：宮崎県在住の30代の中国人女性が100万円の被害に。
- 12月4日：20代の中国人留学生が1600万円を失いました。
この詐欺は中国語で行われるため、中国語を理解しない人は狙われません。
また、詐欺以外にも日本人を狙った迷惑電話もあります。
日本人への迷惑電話
迷惑電話には、「中国語で不満を述べる」「無言」「電話に出たらすぐに切る」といった行為が見られます。
これらは主に社会的な不満が動機ですが、解決策にはなりません。
国際的なワン切り詐欺
中国からのワン切り詐欺では、日本から折り返しを促して通話料で利益を得る手口があります。
電話会社が関与していることもありますので、誘いに乗らず、折り返しをしないよう注意しましょう。
中国からの着信に応答した際の潜在的なリスク
中国からの着信に対応することによって生じるリスクを以下に説明します。
詐欺のターゲットにされる危険
電話に出ると、詐欺師から「対応できる人物」と認識され、詐欺行為を行いやすいとみなされることがあります。
これにより、新しい詐欺の手口のターゲットにされやすくなり、その結果、さらに多くの詐欺電話や詐欺メールを受けるリスクが高まります。そのため、怪しい電話には応答しないほうが安全です。
通話料が発生する可能性
通常、中国からの電話でも通話料が発生することはありませんが、例外的なケースもあります。たとえば、海外にいる場合や、着信者が通話料を負担する設定になっている場合、料金が発生することがあります。
特に、着信だけで料金が発生する「着信料」には注意が必要です。無関心にして電話をそのままにしておくと、予想外の高額な請求につながることもあります。
海外、特に中国からの着信への対処方法
海外、中でも中国からの着信には、中国語を話す人をターゲットにした詐欺や電話番号の有効性を確認する目的など、様々な理由があります。
国際発信者からスマートフォンに着信があった場合、冷静に対応する準備をすることが大切です。
中国語を話す人を狙った詐欺の可能性があるため、すぐに切る
海外から、特に中国からかかってくる電話は、日本に住む中国人や中国語を話せる人を狙った詐欺である可能性があります。
これらの通話は、単に切断するだけでなく、中国語で直接話したり、中国語のメッセージが自動で再生されたりすることがあります。これらは通常、金銭の要求や何らかの支払いの促しを伴います。
警視庁は、中国大使館や中国公安局を装った詐欺電話に注意するよう警告しています。これまでに報告された詐欺被害の総額は2,000万円を超えています。
非通知番号や怪しい番号からの着信には対応しないようにしましょう。
万が一、電話を受けてしまった場合、個人情報の提供を求められたり、金銭の支払いを要求されることがあります。その際はすぐに電話を切り、親族や友人、警察へ相談することが推奨されます。
できる限り通話に応答しないのがベストですが、万が一応答してしまった場合はすぐに切断することが重要です。
「+28」と「+800」の番号についての注意
「+28」で始まる番号は特定の国に割り当てられていないため、発信国の特定が難しいです。
「+800」は国際フリーダイヤルを意味しており、同様に発信国が不明です。これらの番号からの詐欺電話が確認されており、「tellows」という迷惑電話ブロックアプリの広報によると、発信者IDスプーフィング（偽の番号表示）が行われています。
「ビザの問題」「銀行口座の不正使用の疑い」「手数料を伴う返金手続きが必要」など、高額な請求が伴う場合もあるため、警戒が必要です。
軽率にアプリをダウンロードしたり、個人情報を入力したりしない
最近、中国からの短い着信が頻繁に報告されています。これは、電話番号の有効性を確認し、折り返しを促して詐欺につなげたり、通信料を請求したりする目的があります。
軽率にアプリをダウンロードしたり、個人情報を入力したりすることなく、国際発信を制限する設定をすることが推奨されます。必要に応じて電話番号を変更することも検討しましょう。
折り返し電話はしないように
中国からの着信があった場合も、折り返しの電話は避けてください。折り返しをすると、高額な通話料が発生する可能性があります。
ドコモ、au、ソフトバンク、固定電話からの中国宛て通話料金は以下の通りです：
- ドコモ：30秒49円
- au：30秒55円
- ソフトバンク：30秒99円
- 固定電話：6秒14円
※これは記事執筆時のデータに基づいています。
返信時の通話料は必ず請求されますので、注意が必要です。
国際電話の着信拒否
中国からの着信は基本的に無視するのが賢明です。これらの着信はランダムに行われ、発信者自身も誰に電話しているのかわからないことが多いです。
無視を続ければ、最終的には連絡が途絶えます。何度も連絡が来た場合でも、一貫して無視することが重要です。
着信拒否の設定方法
不審な番号からの着信が頻繁にある場合、その番号を着信拒否リストに追加することをお勧めします。特にiPhoneを使用している方は、次の手順で簡単に設定できます。
- 電話アプリを開きます。
- 画面下部の「履歴」をタップします。
- 問題のある番号の隣にある「i」マークをタップします。
- 表示されるメニューから「この発信者をブロック」を選択します。
- これにより、その番号からの着信、メッセージ、またはFaceTimeがブロックされます。
この方法を用いることで、不審な連絡を効果的に防ぐことができます。
固定電話問い合わせ窓口／詐欺防止支援センター
国際電話不取扱センター
中国からの固定電話による国際通話の問題が発生している場合は、国際電話不取扱センターを利用すると良いでしょう。
中国からの通話をブロックしたい場合には、同センターが国際通話機能の停止を支援します。国際通話が不要な方々は、着信および発信の一時停止を無料で行うことができます。
・国際電話不取扱センター 0120-210-364（通話料無料・平日9:00-17:00）
警視庁のウェブサイトでも、この対策が推奨されています。
詐欺対策相談ダイヤル
中国からの電話を受けた際の対処法を紹介します。詐欺専門の相談ダイヤルに連絡すれば、専門家からの無料相談を受けることができます。
また、相談内容に応じて適切な対応策や相談窓口が案内されます。詐欺の疑いがある通話を受けた場合は、詐欺対策相談窓口が便利です。
・ 詐欺対策相談窓口 #9110
警察も詐欺対策相談窓口を紹介しています。
・電話de詐欺対策専用ダイヤル：0120-494-506（午前8時30分から午後5時15分まで/平日のみ）
直接相談を希望する場合は、地元の警察署でも対応しています。
NTT東日本迷惑対策センター
NTT東日本も中国からの迷惑電話に対応するための専門センターを設置しています。NTT固定電話を利用している方は、このサービスを利用することをお勧めします。
外国の迷惑電話に関する問い合わせや相談は以下の連絡先をご利用ください。
・NTT迷惑電話対策センター 0120-325-263 平日・土日祝日9:00～17:00（年末年始除く）
中国に親しい人々やビジネス関連がある場合は、全ての通話をブロックすることが困難かもしれませんが、海外との接触がない場合は着信拒否設定で問題を解決できます。
スマートフォンで通話をブロックする方法や、既知の電話番号を通話拒否リストに登録することも有効です。
中国からの通話応答に伴う料金請求の実際：総括
本記事では、「中国からの通話応答による料金は発生するのか」や「請求されるケースとその対策」について紹介しました。
基本的に、中国からの通話応答で通話料が発生することはなく、料金が請求されることはありません。中国語通話による戸惑いや国際ローミングに関する誤解が、誤った情報の原因になることがあります。
料金が発生するのは、携帯電話から固定電話への転送、コレクトコールの受諾、または海外での着信の場合です。対処法には、通話に応答しない、直ちに通話を切断する、個人情報の入力を最小限に抑える、国際通話の制限設定をする、電話番号を変更するなどがあります。
過去には、海外で衛星電話を利用した際に高額な通信料が請求されたケースもあります。これらの事例から、海外の通話に対する適切な対応の重要性が再認識されています。海外からの通話に対して、冷静かつ適切に対応しましょう。
